第13章 青い炎
「魔獣が止まった?
どうやったの!?」
イリヤは武器をおろし、アンリに駆け寄る
「この魔獣、昔火族が飼い慣らしていた魔犬よ
絶滅したはずなのにどうして・・」
「アドラが生み出したのよ
倒してもきりがないし、あの炎の中から永遠に湧き出てくるの」
「まったく同じ魔獣なら、こいつには女王がいて
そいつを倒さないと止まらない
それに女王は簡単に姿を現さないから
きっとあの中にいると思う」
アンリの目線の先は闇の炎が四方にある
だが、どの炎の中に女王が潜んでいるのか見当がつかないうえに
直視し続ければ闇の瘴気に触れそうだった
「アンリさん、魔獣の女王を倒せば他の個体は増植しないのでしょうか?」
「増植どころか、消滅させる事ができるはず。
こいつらはそもそも女王の細胞の集合体だから
意志を持ってわけじゃない
つまり、あんた達は最初から女王とだけ戦ってるのよ」
「さっき使った液体はなんなんだ?
液体をかけた瞬間、炎の勢いが止まったぞ」
「あれはローラン先生と作った解毒薬だよライセイさん
火族は昔、魔犬を飼い慣らしていたけどあまりにも危険だから自分達の力で女王を倒し、その毒だけ抽出して今でも使ってるから
それに侵された患者の解毒剤がさっきの液体よ」
「女王にとっては毒ということですね
闇の炎の中に身を隠しているからこそ
アンリさんが解毒剤を一個体にかけた時、弱まったということですか・・
因みにその解毒剤はあとどれくらいありますか?」
「あと一つだけよ
これは最近疲れたものだから
多く持ってない。」
「一本あれば十分だ
俺が女王を外に引き摺り出せば
解毒剤を打ち込めば済む話だ」
「引き摺り出すって、どうやって!?」
アンリはクライヴに方法を聞こうと近づくが
ユリエフに腕を掴まれて止められる
「彼の力は広範囲に及びますし
万が一巻き込まれてはいけませんので、離れてください
大丈夫、彼なら闇の力で情報を掴み
そこから女王の居場所を突き止めるはずです」
「情報を掴みって・・あの闇に触れたらただじゃすまないわよ?!」
「まぁ見てろって。
クライヴはただの闇堕ちじゃねぇからさ」
誇らしげにライセイは語り
アンリは解毒剤を握りしめて見届ける