第13章 青い炎
「誰が、引き出すのに失敗したって?」
「!?」
「お前は!」
突然の第三者の声
その方向には魔族化したアドラの姿があった
漆黒の闇の炎を身に纏い、赤い瞳は憎しみに満ちている
「なぜ君が?!
ここは僕の精神世界・・入ってこれるわけがない!」
「あんたはコズモに記憶を見られたと思ったんだろうが
そんな簡単な能力じゃない
あいつは、記憶を読み取るのと同時に他人の魔力を植え付けるこができる。
お前を監禁している間に〝それ”は行われたんだ」
「待てよ、ここにいるアドラが本物だとすれば、現実でどうやってジェイクと戦っている?!
他人の精神へ魔力を送り込むことで入れたとしても
人格の核が入らなくちゃ意思疎通すらできない。
ここに核があるなら、肉体の主導権を握っているのは・・?」
ヒルトの問いに、アドラはニヤリと口元を緩ませた
「そりゃ、どっちも俺だよ。」
「どっちも?」
「この姿を見れば想像できるだろ
俺は闇の力で人間の領域を超越した。
外の俺も、ここの俺も本物だ!」
アドラは漆黒の炎を右手から放出させ
ローランへ目掛けて飛ばす
「ローランさん!」
すぐにローランを庇い、ギリギリで炎を防ぐヒルト
風の力により炎をは消え去る
「僕の中でも力を使えるのか?!」
「少しだけならね
けど、どこまでもつかわからない
俺の魔力はここに留まるために集中させてるから
中で戦う分は・・」
ヒルトに残された魔力は残り少なかった
精神世界に自ら入ったのではなく
ローランによって誘い込まれたことにより
肉体に残している量が多かったのだ
精神世界に自らの意志で入れば
事前に全ての魔力を注ぎ込む
そうすることで精神世界で戦うことがあっても
現実と同じ程力を発揮できるのだ
「君だけ戦わせるわけないだろ」
「ローランさんっ・・けど貴方は」
「インドリームじゃない。
だが、受け継いだ力を行使することはできる
ここは僕の世界だからね
外と違って肉体の負荷はかからない」
小さな炎をヒルトの目の前に浮かべ
ローランが人差し指で一回しすると
ヒルトの全身を炎の鎧が纏う
「君の心は僕が守る
だから、戦いに専念してくれ」
「ありがとう、ローランさん!」