第13章 青い炎
「あの医者は、俺を生かそうと三日三晩休むことなく治療してくれてた。
ずっと俺に生きろと言い続け、手を握ってくれたんだ」
ヒエンの記憶に移る医者は、ヒルトも知っているローランだった
「力を奪われた俺は、自分の中にかすかにインドリームの力が残っていることに気付き、それを彼に託した
いつか現れる本当のインドリームに引き継いでほしいと。」
「君がローランさんにインドリームの魔力を・・!
だから俺たちでもわかる程、インドリームの魔力を持っていたのか」
「その通り。
きっと彼なら、間違った相手に渡すことはないと信じている。
だからこの精神体も、ローランさんがインドリームの力を相手に引き継がせれば消える・・」
「ヒエン・・・君は・・」
「俺は、自分の一族に裏切られたことがきっかけで
夢を見失ったんだ
一体誰のための力か、この力は誰のために使い、誰を救うべきなのかわからない
きっとそんな俺を、インドリームという力は失望していたんだろうね。」
「・・今までのジェイクなら、きっとインドリームになるのは難しかっただろうな
どんな方法でも他人の力を奪うのは間違ってる。
けど、あいつはこれから変わろうとしてる!
まだ決めつけるのは早いんじゃないか?
ローランさん」
ヒルトはまっすぐと見つめ、ヒエンをローランと呼んだ
少し驚いたような表情をし、息を吐きだしてから姿を変えていく
白髪をなびかせ、微笑みを見せるローランはとても落ち着いていた
「よく、僕だとわかったね
どこで僕だと?」
「インドリームの力を奪われたヒエンが、自分のことを精神体だと言った時だ。
インドリームの力は俺たちの魔力と強く結ばれている
それを一気に抜き取られたのなら、他人に残りの魔力を渡せても意志までは移せない・・そんな力、残ってないはずだからな」
ヒエンの過去を見たことで、悲惨な光景がフラッシュバックするヒルトは拳を握りしめながら話す
その拳は震え、ヒエンに感情移入をしていたのだ
「さすが、インドリームのリーダーだけはあるね
そう、彼は僕に残りの力を全て委ねたんだ。
真のインドリームへ渡してほしい、それが最後の言葉だった・・
アドラやコズモはこの力を抜き取ろうとしたが
失敗し、僕の記憶から力を引き出そうとした。」
「ローランさん、俺たちはあなたを含め、ジェイクやアドラも救いたいんだ!
だから―――」
