第13章 青い炎
ヒエンは自信の魔力を使用し、周囲の風景を過去に戻していく
次第に砂漠と谷に囲まれ、多くの戦場を行き交いする集落が姿を現す
「ここは俺が生まれ育った場所で
当時俺は、救護班として戦場から戻ってきた傭兵達の傷の手当をしてた」
「・・・」
肉体と心を痛め、テント内で苦しむ男達に
口元を布で隠した幼い少年が一人で懸命に治療している
「ヒエン、お前なら俺たちを救ってくれるか?」
治療を受けていた一人の男は死んだ魚の目をしたまま呟く。
「え」
「お前の炎のインドリームの力なら、この戦争を止めてくれるだろ」
「そ、それは・・・」
「なぁ頼むよ」
「ヒエン、俺たちは戦いたくないんだ」
「俺の親友がまだ帰ってきてない、あいつを生きて戻してやってくれ」
負傷した男達は次々とヒエンに頼り、懇願する
「これって・・」
「地獄のような光景だろ?
火族は戦いを求める種族だなんて誰が言い出したんだろうな。
僕も、この人たちも、望まない戦争に振り回されただけだ。」
「・・・」
悲惨の光景が続く中ヒルトは言葉を失う
次に景色が変わった時、ヒエンは別のテントで地図と戦士の名簿を眺めていた
「まだ生き残りがいるとすれば、この地域だな」
荷物をまとめ、救護班ではなくインドリームとして人を救うために動き出そうと決意したヒエン
生き残っている火族が身を隠しているであろう場所へ向かう
当時、火族は亜人と魔族の連合軍と戦争しており、
火族を雇った国は衰退しており戦況は劣勢だった
旅の途中でいくつもの敵に襲われ、中にはヒエンの力を奪おうと目論む者もいた
それでもインドリームの力が奪われなかったのは、彼の心がいつも光にむかっていたからだ
立ちはだかる敵を倒し、やっとの思いで見つけた生存者達
洞窟の中で籠城戦をしていた彼らは栄養失調で痩せ細り、武器を持っていた腕は震えていた
「やっと見つけた!
安心してくれ、俺は君たちを救いに―――」
ヒエンが手を伸ばした瞬間、足元から魔法陣が浮かび上がり
強烈な痛みが全身を遅い、体が硬直する
「っ?!」
地面にそのまま倒れたヒエンは麻痺した体と同時に
闇の魔力を感じ、目の前にいた痩せた火族め視線を動かす
「来るのが遅いんだよ。
お前がもっと早く戦場に立っていれば、俺たちは囮にならなくて済んだ」
「どう・・・いうこと・・だ?!」
