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IN DREAM2

第13章 青い炎


爆風が目前に迫ってきている中、
ラルザはアンリの前に立ち、持っていた鎖付きのナイフを前方へ放り投げ、両手の平を合わせて呪印を浮かばせる

「陰・氷透壁!」
ラルザのナイフから突如漆黒の氷の壁が出現し、全ての爆風を防いでいく
それでも横から流れてくる風力で前を見ることが難しい
アンリは飛ばされないようにしゃがみこみ、片目でラルザを見ていた
(黒い氷・・?!
そんなのであの爆発を防いでる?!)

零式の自爆を防いでいるラルザの両腕に激痛が走る
「っ!」
爆発のせいではない
人間の死体という不安定な肉体に宿っているせいで
引き出せる魔力量が調整できていないのだ
器より上回る魔力を放出したことで内側から
魔力が暴走しかけている
(こんな術にも耐えられないのか?!)
激痛が走ることよりも己の使命が果たせないことを考えたとたん、ラルザの中で焦りが沸き上がる
(クライヴ様からはこの女を守るように命令されている
なんとしてでも守りぬかねば!
先のことなんて考えてられない!)
「回・爆炎樹凍!」
氷はラルザの技により変貌していき、炎を吸収していく
氷の中に消えていく爆発
その先は闇の中ではなくラルザの肉体そのものだった
一瞬静まり返った空気が流れ、アンリとコズモの視線はラルザへむける
ラルザは膝をつき、露出していた両腕からは赤く腫れあがっていく皮膚
その内側には吸収した爆発がマグマのような高熱を宿す

「驚いた。
あの爆発を自分の身体に吸収させるなんてね」
コズモは物珍しい生物を見るような目で
ラルザに話す
だが、負傷が大きいせいかラルザは何も答えようとはしない
「まぁ、僕はここで失礼するよ
ここに長居するつもりはないから。」
コズモは黒装束の男達と異空間の中へ消えようとしたとき
ラルザはやっと口を動かす

「本来であれば、こんな炎は食事のようなもの。
ですが、この肉体ではこれが限界のようです」
アンリに話している様子ではない
背をむけたまま、別の目上の人に話していたのだ
コズモはそれが一体何者なのか、気配で察した

だが、その瞬間には右肩から左腹部まで深く体が裂けていた
「がっあぁっ?!」
大量の血が噴き出す
視界にはコズモの死角から空中で身を回転させながら巨大な鎌を振り下ろした青年が見えた

「このような姿で申し訳ございません。
我が主、クライヴ・ベネィクト様」
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