第13章 青い炎
布をじっと見つめ、ジェイクは布を肌触りに違和感を感じる
「龍族の紋章があるけど、これは偽物だと思う」
「偽物?」
「何度か龍族の国旗やこういう品物に触れたことがあってな、
覚えてるんだ。
触れた時に独特な感触があって、それは龍の鱗が混じった布で編みこまれてるから。
鱗の輝きが龍族の権威を象徴し、光にあてれば七色に輝くはず。
けど、これは触った時点でただの亜麻布に書き写しただけってことだ。」
「・・・そっか、これを作った奴を特定したかったけど
そうなればあいつしかいないだろうな」
「トレイタスってやつか?
そうとも限らないと思うぞ」
「?」
「俺でもそのクオリティーなら作れる
つまり、火族でその紋章を完全に記憶してる奴がいれば
作れるってことだよ」
「じゃあこのキミってやつが作ったのか?」
ジェイクは布を見つめ、更にキミの首元に刻まれた呪印に気付き、一人の男の姿が横切る
「いや、ヴァンだ
あいつが細工して作り、キミに渡して余計なこと話さないように呪印を使ったのなら全部納得がいく。
それに、あのトレイタスも関わってるだろうな」
「・・・あのくそ野郎・・」
ギリッと歯ぎしりを立てながらライセイは拳を握る
「ライセイ、この問題は後で考えよう
ヴァンやトレイタスが関わってるなら、きっと闇の神やアルトリアも関係しているはずだ」
「そうだな・・・ヒルトの言う通りだ。
それで?
このキミって奴はどうする?」
ジェイクが持っていた布をライセイは取り、ズボンのポケットにしまいながら気絶して倒れているキミを見つめる
「ほっておこう。
見た限り、当分起き上れないだろ・・・
多分、起き上っても戦う力はなし」
血だらけで横たわるキミを見つめるジェイクは
かつて任務で重症を負ったキミを、アドラが治療している姿を思い出す
この記憶自体が偽物かもしれなくても、キミがアドラのために自らをなげうってまで戦った勇姿に、ジェイクは思うところがあったのだろう
「ヒルト、クライヴの後を追う!
ビーチェの自爆だからこそ、クライヴでもただで済むとは思わない」
「ビーチェって何者なんだ?」
「火族の中でも優秀な魔術家系の生まれで、暗殺者だ
だからころ、自爆した時が一番厄介だ」