第13章 青い炎
「そんなに死にたいなら、これはどうかしら?」
死んだ魚の目のように無気力なアランは
目にも止まらない早さでビーチェの右腕を切り落とす
「!?」
「まだまだよ」
透かさず聖水で覆われた両手で腹部を殴り、
肘で首元を叩き落す
(こいつ、いきなりどうして?!)
無造作に毒をまき散らすビーチェ
だが、一滴も毒は当たらず、左腕も切り落とされる
「っ!」
ナイフと腕が地面に落ちた瞬間、ナイフはアランの水の中へ吸い込まれ
毒を瞬時に浄化させていった
中に封印された魂の叫び声は空間に響き渡り、わずかに涙を流すアラン
それでも浄化の力を止めず、ついに毒を消滅させた
両手を切り落とされ、大量の出血をしているにも関わらず
口の中に仕込んだ毒針をアランにめがけて投げ飛ばす
だが、その針はアランの元に届くまでに闇に吸い込まれる
「なっ!?」
闇の正体が何なのかすぐに理解したアランは
静かにイリヤの元に歩き出す
「クライヴ、あとはお願いできる?」
「あぁ、任せろ」
「クライヴ・ベネディクト!?」
ヒルト達がいた空間は敵が倒れたことで結界が解除され、待機していたクライヴはライセイ達を後にしアランの元へかけつけたのだ
「降伏するなら今だぞ、ビーチェ
お前の兄は天族に封印され、キミという呪術師も戦闘不能だ」
「そう・・だったら何?
ここで降伏するほど、落ちぶれてはいない!
≪呪縛・陣炎≫」
地面に滴り落ちる血を片足で即座に呪印を描き
クライヴの足元から獄炎の柱を作り出す
炎は勢いを増し、灰になるまで止まることがない術
引き換えにビーチェの生命力を削っていく呪術
それでも、血を流しすぎたせいで魔力と生命力が少なく
本来の力が発揮できないビーチェ
燃える炎の中、確実にこちらに歩いてくるクライヴに
首をつかまれる
「ぐっ!」
クライヴを燃やしているはずの炎が
次第にビーチェの首にもあたり、窒息と火傷を負いながら
片足で蹴り上げようとする
だが、その足が上がる前にクライヴに力強く倒され地面に仰向けに倒される
燃えていた炎はクライヴの闇によって吸い取られ、すぐに鎮火した
吸い込まれた生命力は闇の力に変換され、巨大な闇の矢となって空中に浮かぶ
「イリヤにかけている術を解け。」
「そういわれて解くと思ってるの?
闇族ならあたし達がどういう人間かわかってるでしょ?」
