第13章 青い炎
「ローランさんとアンリさんの魔力の型が合えば、足りない魔力は
アンリから共有してもらえば命にかかわる話にはなりません。
ですが、型が合わなかった場合や、必要な魔力量が
アンリさんだけでは賄えない場合、彼女とローランさんが契約を交わすことで、足りない分を補えると思います」
「その契約って?」
「結契約という言って
天族の大天使とアンリさん、ローランさんの三者契約となり
大天使の治療力をアンリさんへ常に供給することを引き換えに
大天使と肉体を共有するすることで成り立つ術です。」
「すごい・・そんな術があるんだな」
「だがユリエフ、大天使がそんな簡単に承諾するのか?」
疑う目でユリエフを見るクライヴに
ユリエフは毅然とした態度で言葉を返していく
「特定の人物だけではありませんし、
この契約を望んでいる大天使は多くいます」
「だが、大天使には不利な話になるはずだ
大天使がアンリと肉体が共有できた場合でも、天族の肉体のほうが優れている
なぜ・・」
「・・・・」
ユリエフはクライヴから少し目線を反らし、
静かに、そして悲しそうな表情で答える
「暗黒戦争時の傷跡です
当時、闇に触れた者は肉体が侵食されているからです」
「?!」
「天族が闇に侵食されてるって・・・じゃあ・・・」
「そう、ヒルト君の想像している通り
天族は過度な闇の侵食をその身に受けると浄化できず
魔物へ姿をかえていくだけです。
だからこそ、彼らはそれを避けるために
第二の肉体を求めていますが、人間の肉体に自らの魔力を移すには
‵‵人間からの契約意志〟が必要です。
ですから、彼らから求めれば、必ず応えてくれます。
実際、他でそれが成功しているのは昔、見てきましたから。」
「・・・疑ってすまない」
「謝らないでください、クライヴ君
誰でも疑いたくなりますよ
天族が自らの肉体より、人間の肉体と共存を望んでいるなんて聞けばね。」
「けど、ユリエフのおかげで希望が見えたよ
ありがとう」
「いえ、私は当然のことを話したまでです」
照れくさそうにうするユリエフ
その時、ガラスに亀裂が入るように空が割れ始め
そこから雷を纏いながら降りてくるライセイ
その右手には血まみれのキミが持たれており
時間差で青ざめたジェイクが落とされてきた
「ヒルト、結界は解いたぜ!
って、クライヴとユリエフもいたんだな」
