第13章 青い炎
「馬鹿はお前だ
俺が無意味に吸収ばかりしてると思ったか?」
「・・まさか・・!」
バザンはクライヴが吸収するのは、闇のみだ思っていた
だが、今目の前でユリエフの光を一気に吸い上げていく
それはつまり、拒絶反応を肉体に起こさせて
魔力の暴走と、一部の力の消失を意味する
そうなれば意識を保っているのは難しい
「天族の光を吸収し、わざと自滅する気か?!」
ニヤリと笑い、クライヴは全てを吸収しきる
その直後、ビキッと異音を立てながらクライヴの血管が破裂した
両目からは黒い血の涙を流し、腕、足、腹部から黒い血が吹き出し、背中の骨はボコボコと音を立てながら変形していった
重ねてオーバーヒートしていた肉体にとどめをさしたのは
先に取り込んだユリエフの光の矢だ
それによってクライヴの精神は崩壊しかけていき
肉体も心も闇に飲まれていきそうになった
悲鳴なのか、それとも笑い声なのかわからない声をだしながら、クライヴは吐血してバザンを見ていた
その瞳は真っ赤に光り、獲物を捕らえた捕食者の目そのもの。
初めてバザンに寒気を感じさせる目だ
人差し指をバザンにむけた途端、ドンと音をたてて
赤い血とバザンの右腕が飛び散った
「っ?!!」
息を吐くより早く片腕がなくなり、とっさにクライヴより距離を置く
クライヴが攻撃できたということは、今のバザンは闇の神に見えていないのだ
つまり、使用できる術も変わる
だが、バザンにとって一番理解できなかったのは
狂いかけているクライヴが一番恐れる存在が何か
わからなかったのだ
闇の神でなければ、アルトリアか?
いや、試したが天族の力が発動できない
なら、失うことを恐れるインドリームか
思い当たる全てを試すも、誰の力も屈指できない
「おいおい、どういうことだ
例え今のお前でも、完全に心が壊れかけてなかったら
誰かいるはずだろ・・恐怖の対象が!」
「ははは・・・」
「!」
静かに笑い声が聞こえた
効き間違いかと思うような、子供が遊んでる時のような声だ
確かに、血まみれのクライヴが笑ったのだ
「お前・・楽しんでやがるのか」
クライヴの口は黒い血と影のせいで、口がさけるほど
にやついてるように見える
その声も、口元もクライヴの今の本心なのだ