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IN DREAM2

第12章 炎の意志





闇の中、ヒルトは一人で目が覚める


「----ここは?」

空中に浮いたように体に力が入らず、辺りを見渡すが無音の空間が広がる
手を動かせ、深呼吸する
「すぅー、はぁー・・」
確かに息をしている感覚はある
だが足が思ったように上手く動かない
「ここ、現実じゃないよな?
夢の中なのか?」


「その通り、ここは夢の中だ。」
「?!」

声はヒルトの真後ろから聞こえ、とっさに振り向く

「え・・・?」

そこにはジェイクの姿があり、薄い炎の光を纏わせながら立っていた
「ジェイク?」
ヒルトの問いに対し、ジェイクは優しく笑顔で微笑み口を開く
「生きてたんだな、ヒルト
正直、驚いたよ」
かつて見せたことがない優しい眼差しでヒルトの身を案じるジェイク
かつてジェイクから感じたことのない光を感じ取るヒルト
何よりも彼の目には光が宿っており、心からは繋がる言葉に嘘偽りは感じなかった

「本当にジェイクなんだよな?
ここはお前の夢の中なのか?
いや、それよりも今どこにいるんだよ!?」

「ヒルト。
俺はおまえが知るような夢に生きる存在じゃない
俺がいる場所は最初から最後まで闇の中なんだ」
「闇の中?」
「俺が生まれた時から特殊な家系なのは知っているだろ?
DNAを改造され、戦闘に特化した教えを叩き込まれた死風の暗殺部隊に所属していた。
そんな時、各部族からインドリームに目覚めた少年少女の情報が入り、火族の中でも目覚めたインドリームを探し出したんだ」
「それがジェイクなんだろ?」

ヒルトは恐る恐る問う
単純で当たりまえの返事が返ってくるはずだ
それでも怯えていたのは、想像以上に残酷な真実が待っているのではないかと思っていたからだ

「・・・俺は、炎を司るインドリームじゃない
それはヒエンから奪い取った力だ」
「え?」

ジャイクの口から語られた真実は耐え難いものであり、ヒルトはすべてが嘘だと言いたかった

「そんなの・・・
嘘に決まってる!
だってインドリームの力は、選ばれた本人しか使用できないし、他人が奪える能力じゃない!」
「----」

しばらく静寂な無音が続く中、優しいジェイクの表情は無表情へ変貌し、じっとヒルトを見つめる

「そんなの、誰が決めたんだ?」
「そんなのって・・?」
「そもそもヒルト、お前は知ってるようで何も知らないんだ
インドリームの力の本質を。」
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