第12章 炎の意志
「何にも学ばない糞野郎だってことだ」
ヴァンは両手に銃を持ち、二丁銃でクライヴへ銃口を向ける
「ちっ!」
銃弾が発砲される前に闇の結晶を作り、ローランを守る
「!?
クライブ君!」
「あんたはそこでじっとしてろ」
「くぅー!
痺れるねぇ、他人を守るために自分が犠牲になるってか」
二ヤつきながらヴァンは懐から取り出し新しい葉巻に火を付け、不気味な笑みを浮かべる
「偽善者ぶるなよ、ガキが。」
爆音のような音が響き渡り、二丁の銃から魔法弾が発砲される
「闇よ、集え!」
クライヴの額にまっすぐ飛んでくる弾丸を包むように闇の球体が作り出され
弾丸は球体の中に吸収され、消え去る
「ほぉ。
俺の一撃を受け止めるか」
「・・・」
「だが、全部受け止めれるか?」
目にも留まらない速さで銃弾を装填し、同時にリボルバー式の拳銃の装填数は増え、右手にはリボルバー式の拳銃、左手にはショットガンへ持ち替え、炎と魔法陣が周囲に宿っていく
「ショータイム」
小声でつぶやいた直後、ヴァンは街の建物や植物など堺なく破壊し、魔法弾を乱射していく
「!」
闇の球体だけでは間に合わないと悟り、すぐにローランをを包む水晶体ごと移動させ、銃弾から逃げる
「どうしたどうしたぁ?!
こそこそと逃げ回ってんじゃねぇよ!」
「あの銃弾じゃあ物陰も紙切れのように破られる
・・力を制御している暇はないか」
クライヴは右手に呪印を浮かせ、闇の魔力を増幅させる
「闇よ、我が身に宿り、喰らいつくせ!
≪第弐呪縛装・解≫!!」
膨大な闇を覆い、クライヴは瞳を真っ赤に光られながら飛び交う銃弾に目掛けて赤黒い衝撃波を放つ
風のような衝撃波はヴァンの魔法弾の魔力を打ち消し、残された鉛の弾は膨大に膨れあがった闇の巨人によって一掃された
街外れに突如起きた爆発や銃撃、闇の巨人等に中心部から多くの火族の悲鳴や逃げ足音が響く中、ヴァンは高揚感が隠せずにいた
「久しぶりじゃねぇか、俺の2回目の銃撃を防いだ光景を見るなんてよ
これは楽しみだ!」
二丁の銃を素早く合体させ、巨大なマシンガンへ変形し、鉄の足場を装着させてクライヴへ照準を合わせ、すぐに引き金を引く
「どれだけ撃たれようと、結果は同じだ」
クライヴは闇の風を纏い、銃弾から身を守りながら銃口から円形に走りながらヴァンの死角へ入ろうとする
