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IN DREAM2

第12章 炎の意志




「あの少女の意識を取り戻すまでは助けたと言えない
俺達が力を貸す。
歩けるか?」

「ありがとう・・僕は大丈夫だ」
ローランはため息混じりに答え、意識を無くしているアンリの元に歩み寄る
「今回ばかりは、アンリに迷惑かけたな・・」

「ローランさん、一体何があったんだ?
俺とクライヴが来た時には砂が被さってた
ついさっき倒れたってわけじゃないし、そもそもクライヴが街の人たちから聞いた話だと、あんたらは遺跡調査に行ってたんだろ?」

「・・・襲われたんだ、謎の青年達に。
いや、あれは亡霊達だ」
「亡霊?」

ローランの口走る言葉に、ライセイは聞き返す
「亡霊ってなんだよ?
そいつらの顔見たのか?」
「2人とも見えたよ
1人はフードで顔を隠していたが、僕には見えた
・・この話の続きは街に戻ってからにしよう
まずはアンリを僕の病室で休めて治療させないと。」

「治療なら、俺達の仲間に任せればいい」
「任せるって・・・クライヴ君
君達の歳で医者をしている仲間がいるのか?」
「医者より優秀だ
ユリエフに任せれば、傷も疲労も治るだろ
そうだろ、ライセイ」
「あぁ!
ローランさんも疲れてんだし、ユリエフに治してもらおうぜ
あいつの治療力はすんげーだ」

ライセイはアンリ抱き抱えたまま、明るく話し、その笑顔は無邪気な少年そのものだった

「そのユリエフという人は何者なんだ?」
「それは見ればわかる
あんたと同じ見た目ではあるが、種族が異なるな」

ローランはクライヴがどの見た目のことを指して話しているのか気づき、自分の髪をさわる
「僕の髪は何故白くなっているのか、あまりわからないんだ
まだ30歳半ばだけど、昔起きた事件の影響かもしれないね。
そのユリエフという人も、同じ髪色なんだね」
「・・そうだな、生まれつきの白髪だ
それだけ言えば、何の種族でどうして治癒力が使えるのか、そして医者より優秀という理由がわかるだろう?」
「あぁ、十分な情報だ
医者である僕からすれば、会った見たかった種族だ
ぜひ、その人に治療してもらいたい」
「なら俺について来い。」

クライヴを先頭にローラン、ライセイは歩き、カレッツァ街へ戻っていった




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