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IN DREAM2

第12章 炎の意志




「なぁ、クライヴ」
「どうした」
「俺が右手のことを隠してるって、いつから気付いていたんだ?
このことはヒルトしか知らないはずなんだ」

カレッツァ街の酒場から離れ、クライヴとライセイは膨大な砂漠を歩き、1つの遺跡を目指して歩いていた
ライセイの唐突な質問に対し、クライヴは考え込むことなくすぐに答える
「お前を始めて見たときからだ
その眼をみれば龍族だということはわかるし、右手の包帯を取らないなんてわかりやすい
それに、左手の人差し指にした抑制型リングを付けて不安定な魔力を抑え、お前が持つ負の魔力を隠しているようだが、俺には効かないからな。」
「!
・・・そこまで知ってたのかよ」

ライセイは右手でリングを抑え込み、不安気味に話しを聞く

「昔、龍族とは関わりがあったからな
お前達の種族は生まれつき莫大な魔力と知力を持つが、その反面負の感情に影響されやすく、闇の力に取り憑かれやすい
そうならないために、天族の技術を盗み取って作ったのがその抑制術が施されたリングを付けている・・そうだろ?」
「盗み取った、か・・ーーーー。
そうだな、俺も龍族のみんなも、天族の協力を得たかっただけなんだけど、天族は龍族の発展しすぎた技術を恐れて必要以上に干渉しようとしなかったんだ
日常的に負の感情を抑える事が要な俺たち龍族は、何かあった時はリングだけじゃ抑えられない
だからもっと便利に過ごせるために、龍族の魔力を安定させるための大型の制御装置を各領域に設置したかった。
そうなれば、自ずと盗み取ってやろうって考える奴等が出てきてもおかしくないんだよ」

呆れた表情でライセイは左手を天に伸ばし、太陽を隠すように手をひろげる
リングは今でもライセイの中に渦巻く負の感情を抑えようとしている
その証拠に、太陽の光で更に輝きを増し、リングは輝いていた

「・・俺、いつかはこの事を仲間に話すつもりだし、天族のユリエフにも謝るつもりだ
技術を盗んだのは別の龍族達だけど、俺も同じ龍族だし、現に盗んだ技術をのうのうと使っている
直接関係してないなんて言えない立場だしな
それに、俺は龍族の第2皇子だ
コソコソとしてたら、一族の恥だからな。」



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