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IN DREAM2

第12章 炎の意志



机に置かれた酒の瓶を一気に飲み干し、ライセイは酔いなど一切見せずに話した

「幻覚だと?!
馬鹿な・・俺たちは火族だぞ
他の種族と比べ物にならない程の訓練を積み重ねてきたんだ
闇堕ち程度の幻覚で精神を潰されるなんてあるか!」
「だったら、部下の分までお前が証明してみろの」
勢いよく2本目の瓶を置き、ライセイは喧嘩腰で話した
その目は完全に相手を見下した者のものであり、同時に自分は勝利することを知っているようだ

ゴクンと喉の奥へ注がれるワインや発泡酒を一気に流し込み
ピッチが早いライセイの様子を眺め、クライヴは清々しく見つめ、次々と襲いかかる火族を片っ端から戦闘不能状況にする

ある者は腕を吹き飛ばされ、ある者は肋骨を折られ、ある者は幻術で失禁し、ある者は恐怖のあまり逃げ出した

「ちっ、つかえない奴等だ」
近くで倒れる部下に対して唾を吐き捨て、大男は酒を飲む手を止めなかった
「おい店主!
もっと酒を持ってこい!
もっと、もっとだ!
このガキを潰せる上物もってきやがれ!」

カウンターで静かに見つめていた店主は、これ以上酒は提供できないと言うように首を横に振り、大男の要望を受け入れようとしなかった

「っ、どいつもこいつも役立たずがぁ!」
やけくそに酒を飲む大男はついに限界が来たのか、体をフラつかせながら酒を飲み続ける
大瓶5本目を飲みきったとき、ライセイはすでに7本目を飲み終わり、8本目を開けていた
歴然とした差を見せつけられ、尚且つ、一切酔っているそぶりを見せないライセイに
大男は苛立ちより恐怖がこみ上げてきた
「お、お前、化け物か?!」

「化け物じゃねぇが、格が違うってことにようやく気付いたのかよ
まぁ、こんなもの、俺が昔飲んでた王族専用のワインより優しい酒だけどな」
「王族・・だ、と?」
「ん?
あぁ、あんたは俺がどの種族かわかってなかったんだよな
この目をちゃんと見れば、すぐわかったはずだぜ?」

ライセイは大男と対面に立ち、瞳に魔力を込める
黄金色に輝く瞳を見つめ、大男はかつての恐怖がこみ上げ、とっさに椅子から飛び上がり、ライセイと距離をとった
「あ?」
「まさか・・龍族か?!」
「そうだけど。
なんだよ、その顔。
昔、龍族に叩きのめされたのか?」
「叩きのめされた、だと?
そんな生易しいものじゃない!
テメェらの一族は俺達を使い捨てただろ!」

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