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IN DREAM2

第12章 炎の意志



「ジェイクに突然牙を向けられ、ヒルトを傷つけられた事で怖気付いたか?
お前が今しなければいけない事は一人で抱えることではなく、仲間を頼って協力し合うことだ
裏でコソコソと動くようなら、お前が一番事態を混乱させている元凶になる」
「・・・そうですね
すみません、取り乱していました」

ユリエフは冷静に答え、飛行船の窓から外を見つめる
「ーーークライヴ君
貴方はジェイク君がどこまで本気だと思いますか?」
「どこまでも何も、あいつは全て本気でヒルトを殺そうとしていた
ヒルトが受けた傷が何よりも証拠だろ」

冷たく切り捨てるような言い方で話すクライヴ
だがユリエフは諦めたくはなかった
仲間として信じていたジェイクが、本気で裏切ったというより仕方なくそうしたと感じる違和感があったからだ
もし本気なら、毒を仕込んだ後、すぐにヒルトを殺せるチャンスはあったが、そうしなかったのは何かがジェイクの心を繋ぎとめていた

「ジェイク君がヒルト君へ向けていた殺気は間違いなく本物です
けど、たまに入り混じる別の〝気〟も感じました
まるで別の人格が入り混じっているような・・」
「人格が入り混じる、か・・・ーーーー。
その可能性も考えられるな」
「え?」
「火族は戦を好む戦闘一族だ
敵地に潜り込むためのスパイとなるため、対象の魂と融合したり、外見だけ似せるために皮膚を切り取って呪術で自身に付けることもしていた。
もしジェイクがどちらもしていたのなら、多重人格はその副産物だな」
「そんなっ!
でしたら、今のジェイク君の姿や魂は本物ではないと?」
「仮説の話だ
・・まずはカレッツァ街へ行き、能力者に接触しなければわからないな」
「そうですね
この話は私からアランさんやライセイ君、イリヤさんに共有しておきます」
「あぁ」

寝室を後にするユリエフはすぐに動力源となる光の力を使い、飛行船をカレッツァ街へ急がせた
突然の勢いにアラン、イリヤ、ライセイは不安を募らせるが
すぐに事情を話しカレッツァ街へ行く真の理由を語った
全ては仲間のためにーーー。
ユリエフの強い意志に導かれインドリームはカレッツァ街へ向かう

その街で待ち受けている真実が、絡み合った糸のように複雑であり
黒く染まった彼の裏歴史に触れてしまうとは知らずーーーーー。


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