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IN DREAM2

第12章 炎の意志




ジェイクがインドリームから離脱した翌朝、ヒルトを介護しながらクライヴとユリエフは他の仲間を呼び、事情を伝えていた

「ーーーー以上が、俺たちが見た現状だ」

クライヴが話し合えた場所は飛行船でヒルトを寝かしていた寝室

その空間には溜め息すら出ない絶望だけだった

「・・・信じられないよ」
イリヤの弱々しい声が響く中、言葉を返したのは冷静に話すとクライヴだけだった
「それでも現実だ
ジェイクは火族のスパイとしてお前達に潜入し、目的を果たそうとした」
「で、でもさ!
まだそうじゃないっていう可能性はあるよね?」
「例えば?」
「誰かに脅迫されて、無理矢理したとか・・
もしくは、操られてたとか!」

イリヤが話す可能性はどれも低かった
状況を知らないからこそ、考えれる内容であり
仲間であるジェイクが裏切り者だと、信じたくない一心で考え抜いた結果だ

「残念だが、ジェイクは裏切り者だ
俺とユリエフは、炎の力でヒルトを殺そうとした瞬間を見ている
操られたり、無理矢理ならインドリームの力は使えない・・それはインドリームであるイリヤならわかるはずだ」
「・・でも・・・」

「もういいだろ、クライヴ」

言葉を詰まらせ、涙目になるイリヤより前に出て話すライセイは疑心に満ちた表情でクライヴを睨んでいた

「お前はどうなんだよ、クライヴ
ジェイクが火族で何か企んでる事を知って、放置してたんだろ?」
「・・確かにな。
ただ、企んでいるというより
抱えている、という方が正しいな」
「抱えているだぁ?」
「あいつはいつも光を求めていた
だが、自分は火族であるせいで同じようにはなれないと言っていたこともある。
闇の中で生きている俺は、ジェイクのような目をした奴を多く見てきたからな・・」
「少しでもおかしいって知ってて、どうして俺たちに話さなかったんだよ?!
ジェイク一人が抱えず皆んなで話せば、こんな事にはならなかっただろ?!」

ライセイが怒鳴りながら話す中、クライヴは鼻で笑った

「ハッ」

その声は心の底から馬鹿にしている

「お前だって右手の事を隠しているだろ?
仲間に隠し事しているのはライセイ、お前も同じだ」
「なっ」
「そんな事もわからないなら、話にならないな」

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