第12章 炎の意志
「・・・インドリームごっこでまだ頭がぼけてんのか?
それとも、呪いの発動がきつくて理解力に支障がでたか?」
「え」
「いや、もういい。
“今ジェイク”は眠ってろ」
アドラはジェイクの額に人差し指をかざし、呪印を浮かばせた
直後にジェイクの瞳から光は消え、虚ろで氷のような冷たい別人のような人格が表に出る
「よし、“こっちのジェイク”なら俺が何を言っているのかわかるよな?」
「・・・あぁ」
「やっぱりお前はこうでなくちゃな。
その目に光りが映っていると、虫ずがはしる上に別人と話しているような気持ちになるんだ
今のお前も、さっきまで話していたあいつも、同じなのにな」
「仕方ないだろう
俺もお前も長い間会ってない上にいろいろあった
そうだろ?」
「ああ」
「だから話せよ、何があって、これから何をしようとしているのか。
俺はお前を助けるためなら、何だってする
そう、決めたからな。」
人形のような感情を込めず話すジェイク
だが、アドラはそんなジェイクこそ、己の親友だと語り、ジェイクが知らない空白の日々を語った
その話はあまりに残酷かつ、非道で救われなかった
信じてきた者から裏切られ、生きているより死んだ方がましだと簡単に思える
光は彼を見放し、救いの手を伸ばしたのは闇のみだった
残された時間が数少ない中、選べる道はただ一つ
それが結果的に誰にも理解されず、孤独な道を歩むことになったとしても、アドラは仕方がないと感じれたのだ
過去、思い、夢、決意、結末――――
すべてを聞かされた時、ジェイクの表情が曇っていく
それは紛れもなく心から負の感情がこみ上げ、闇が生まれた時のものだ
「アドラ、お前は絶対俺が力になる
例え、この世の全てを敵に回してもだ。」
「ありがとう、ジェイク
本当に、お前と再開できてよかったよ
インドリームになってから、もう二度と会えないと思っていた」
「インドリームなんて関係ない
俺の目的は今も昔も変わらない。
・・おおむねお前の状況はわかった
これからの対応について、詳しく聞きたい」
ジェイクはアドラのとある計画に自ら足を踏み込んでいく
その計画に加担することで、インドリームに二度と戻れなくなるとは知らず、さらなる深みへ引きずりこまれていく
自らの夢を叶えるためなら、手段を選ばない
光とは相反する道を選んだのだった――
