第11章 破滅の鐘
「軽々しく人の命を奪うことが貴方の使命で、そうするのが賢いと?」
「そうだよ、使命もわからず生きてるなんて虫以下じゃん
人間種であれは知性も能力もあるんだから、それを有効に活用するべきだよ
少なくとも、あたしらの本当のボスはそう教えてくれたね」
「知性と能力を活用することが大事だとしても、それは人々の命を奪い、夢を壊すために使うものではありません!
あなた方は間違っています」
「・・偽善者の天族野郎があたしに説教するなよ」
リリースは右足を地面に叩きつけ、エントランスに亀裂がはいる
地面から突き出したのは3メートル程あるマシンガン
何千発もの銃弾が装着され、銃口は入口に立つユリエフへ向けられる
「隠れろ!」
ヒルトはユリエフの手を取り、近くの柱に身を隠し、ジェイクも同じように反対側の柱へ身を隠す
入り口を向かって左右に別れ、銃弾から逃げたことでステンドグラスは無残に砕け散り、壁にも多数の風穴が開く
「そんな所に隠れて、凌げるとでも?!」
リリースは更にマシンガンを放ち、ヒルトとユリエフが隠れる柱は削れていく
「まずい!今そっちにーーー」
「させん」
「?!」
ジェイクはすぐ背後までガウンが迫っていることに気づき、すぐさま態勢を変えて攻撃を避ける
振り向き、さきまで立っていた場所に目を向けると地面がえぐりとられガウンが獲物を追うハンターのような目つきでジェイクを睨む
「っ、くそ!」
ジェイクさ螺旋階段の中段へ逃げ、ガウンは結界で身を転移させながら追いかける
「ヒルト!
後で必ず合流する!
それまで持ち堪えてくれっ!」
「わかった!」
遠ざかるヒルトの声を最後に、ジェイクは勢いよく螺旋階段を駆け上り、途中に繋がる扉を蹴り飛ばし転がり込む
「・・・」
鎖に繋がる球体の重りと棘が無数に付いた鉄の板
首を吊るための台と縄が部屋の隅に置かれている
所々に人の血が飛び散り、酸化して異臭が充満していた部屋は誰が見ても何のためにあるのか理解出来た
「拷問部屋か」
「その通りだ」
「?!」
「ここはかつて、破滅の鐘に歯向かった愚かな人間を裁いた場所でもある
拷問部屋を中階層に築いたのは、その声を街に聞かせる複合機がこの階にあるからであり、好都合だからだな」
ジェイクの前き姿を現わしたガウンは殺気を立てながら
声は冷静であり、部屋を見渡す
