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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘


ポーラル町から離れてれば渓谷が広がり、かつて人が住んでいたのであろう廃れた家々が散らばっている

海風が通る渓谷には青々とした木花か広がり、自然の力だけで整備されているとは思えないほど整っている

「あの塔だな」

ジェイクが指を指す場所には外壁の所々が風化している高台があった
「あそこが破滅の鐘の拠点だ
あの人が教えてくれた魔術が反応してる」
手の甲を眺めながら光る魔術刻印
すぐ近くにでも敵はいるーーーー
そう伝えるように輝いていた

「行こう、ジェイク」
「また破滅の鐘が行動に移す前に、ここで止めましょう」

ヒルトとユリエフはジェイクの背中を押すように話す

「あぁ、ヒルトとユリエフがいれば心強いな」


ジェイクを先頭に高台に向かって疾走し、固く閉められた扉を炎の力で吹き飛ばす
骨組みの鉄は焼け溶け、木材は塵となって吹き飛ばされる


「あーあ、この塔は町の中でも古い建物だから
住人達が大事にしてたのになぁ」

エントランスから上の階に繋がる螺旋階段の入り口で
ニタリと笑いながらリリースが待ち構えていた
階段に腰掛け、足元には多数の重火器を並べ、ヒルト、ユリエフ、ジェイクを小馬鹿にする

「リリース、奴等は本気だぞ」
空間を無理矢理捻じ上げ、突如リリースの背後から現れたガウン
その瞳は穴の空いた頭巾から赤く光り、三人を睨みつけている

「貴様らがここにいるということは
フランシスも遂に尻尾を見せたか」
「奥さん殺されてすぐに復習でもするかと思ったけど、以外と辛抱したほうじゃなぁい?」

「奥さんを殺された?
どういうことだ?!」
ヒルトの真剣な眼差しにリリースは小馬鹿にしたように鼻で笑う
「クスッ
知らなかったの?
あの男にはライアンっていう奥さんがいたんだよ
けどそいつは破滅の鐘の言いなりにはならないって言って、町を出てコソコソと動き出したの
だから、殺した。」

「なんて身勝手な!
人の命を何だと思っているのです!」

「あっははは!
流石、天族は考え方がおかしいね、頭ぶっとんでるよ」
「なんですって・・」

中傷から生まれる笑みと両手を腹部にあてて笑うリリースは
片目から僅かに溢れる笑い涙を指で拭き取り、ユリエフを見ながら話す
「あのね、天族さん
命あるものはいつか死ぬんだよ。
そうであれば生まれた理由を見つけ、使命を全うする方がよっぽどかしこいよ」
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