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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




「無能な魔術師をお許しください
私ではクライヴさんがどのような考えを持っておられるのか、検討もつかないのです」

アークの機嫌はとても悪い
主人の想いを汲み取れていない死者にいらついているのであれば
無駄な言葉は発さず素直に罵られた通りに認めるのが懸命だ

「まったく。
私の主人が友であるインドリームとの出会いによって
変わられ、力の使い方も新たな方法を見つけれたというお言葉を聞けば、何をされるのか明確です」
「その・・明確な御答えをお教え下さい」

深く失望しながらため息を吐き、ライアンとは目を合わさずに語るアーク

「貴方の願いを聞き入れてくださるのですよ
そのままの状態で外へ行けば天族に見つかる可能性が大いにありますからね
だからこそ、そうならないように魂留め〈ソウル・コージング〉で貴方の魂を持ち運び、願いを叶えると言っておられるのです」
「!?」
「どれだけ無能な魔術師であり、私にとって価値のないものでも
私の主人はそうは思われない
闇に迷える者を導き、その願いを叶えられるのは保有している力を使いこなせているからでしょう
・・そして本当に・・主人は変わられた・・私では計り知れないほどに。」


「一つ訂正しておくが、俺はまだ闇の力を使いこなせてはいないぞ、アーク」
「!
そんな事はございません
影ながら貴方様の実力をいつも拝見させていただいております
今回であっても強力な結界を破られました」

雫から得られた情報を胸に秘め、クライヴはほんの少しの笑みを浮かべながら語る

「この結界を打破できたのはお前の力と、ライアンの情報提供があって成し遂げられた
俺は力の一部を使用しただけに過ぎない
だからお前には礼を言う、アーク」
「なんとっ・・勿体無き御言葉、ありがとうございます!」

再び深く頭を下げるアーク
同時にライアンも頭を下げるために膝をつくが
クライヴはそうなる前に腕を掴み、止めさせる

「残された時間は少ない。
せめてもの礼に、お前の魂を最愛の元まで送ってやる」
「あっ」
「確実に成功するかはわからないが、俺に賭けるか?
第五階級魔術師、ライアン」
「も、勿論です!
貴方様を信じます、クライヴ様っ!」

クライヴはキューブを大きく広げ、ライアンを包んで行く
「結界の抜け穴から脱出する
アーク、最後まで付いて来い」
「勿論です
最後まで共に参ります」
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