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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




「私はジェイク君の意見に賛成です」
「ユリエフ・・」
「人の欲求を満たすための力ではない
それは正論です。
ですが、私達の個人的な偏見で力を払うことは間違っています
例え相手が魔族ではない亜人種であっても、世界を闇に染め上げる側につくというなら私は戦うべきだと思います」

ジェイクとユリエフの意見に同意はできても
すぐに納得いかない理由は一つあった
それはヒルト自身が力の制御ができなかった場合の心配だ
仲間の身に危険が生じれば糸が切れたように
意志とは反して膨大な魔力を消費して戦うことだけに専念してしまう
まるで負の感情に飲まれているような感覚に襲われるのだ
そうなった時、自分には責任が取れない
今回のように無関係な住人を巻き添えにしてしまう可能性もあった
自身損失ーーーーそれが今のヒルトに纏わり付いてる

「ヒルト、街での事はもう起きてしまったんだ。
悔やんでもこれからの事を恐れても何も始まらない」
「!」
「けど、荒れ狂った風を止めたのは俺だ
その事実も変わらない・・・その気になれば、いつだって俺がヒルトを止めてやるよ」

「ーーージェイク・・・」
「だから自信をもってくれ」

自らの力に溺れる事を恐れ、前に進まない
今のヒルトはただの非力なヒロインと同じだ
心から自分の弱々しい心に嫌気がさす

クライヴがいれば殺気をたてながら睨み、そして説教をしていただろう
ここにいるはずのない存在の顔が鮮明に蘇る
そして同時に、ヒルトの中で心が動いた

街を救うため、そして、仲間を取り戻すため
そのために破滅の鐘との戦いは避けられないのだとーーーー。


「ありがとう、ジェイク
けど、力に溺れることはない
俺の力だから・・必ず制御してみせる」
「よく言ったな、ヒルト!
それでこそ俺達のリーダーだ」

ジェイクはヒルトの肩に手を置き、お互いが見つめ合って同じ決意を現した


「はぁー・・
ヒルトがいいっていうなら、俺は何もいわねぇよ
けどよ、そいつら倒しに行くのも全員で行くわけじゃないだろ?
アランとイリヤをほってはおけないし。」

「俺とユリエフ、ジェイクでいくよ
ライセイは2人とこの街の人たちを頼む」

肩をすくめながらため息混じりで聞き返すライセイに
ヒルトは冷静に答えていく




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