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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




カビ臭い香りが充満するコンクリートで覆われた部屋
窓から差し込む光を遮るのは鉄格子のせいだろう

「なかなか厳重にしてるんだな」

ジェイクは部屋に入った瞬間から仕組まれていた罠や術式を見破っていた

「・・・そこの椅子に座れ」

フランシスは入口で立ち止まるジェイクの背中を押し、半端強制的に進ませる

「事情聴取のわりには気合い入った部屋へ連れてくるんだな」
「当然だ。
先の騒動の被害は膨大だ・・それに、街の中で話したくないと言ったのはお前だろうインドリーム」

「そうだな」

フランシスと対面上に置かれた椅子に腰を落とし
ため息を吐くジェイク
しばらく静まり返る空間の中、両手を胸で組みながら口を開くフランシス

「お前の名を聞こうか、炎のインドリーム」
「ジェイク・バルシウスだ」
「そうか、ではジェイク
君は破滅の鐘の事について詳しく知り、その行動理念までも理解していた
・・だが、指図め情報が上手く回らず奴等が勝手に動き、困惑したというところか」
「!
どうしてっ・・・いや、あんたも俺と同じということか」
「そうだ。
気づいていると思うが、この街全体は破滅の鐘と繋がりを持つことで繁栄し続けてきた
だからこそ、奴らの標的が街に来たときは住人を含めた全員で情報を共有し、報告する
だが今回のインドリームの件は我々自警団に知らされてはいなかった
おかげで負傷者が何十名かでた上に、街の被害が大きくなった」

冷静に話すがその瞳には確かな憎悪が抱かれている

「奴らが少数の協力者としか連絡取らず動くってことは
それだけ失敗が許されない任務だったってことだ
まだ仕留めはできていないからまた狙いに来るだろうけど。
・・それで?
そろそろ本題に入ろうぜ、フランシスさん」
「・・・」
「この部屋に張り巡らされた人払いと聴覚遮断の結界が張られ、更には妨害無効の魔法も発動されてる
これは完全に情報漏洩を防ぐ為の魔術だ
破滅の鐘と協力関係にある者がする行為とは思えない
だったら答えは一つ、あんたは破滅の鐘と協力しようとはしてないってことだ」

ジェイクの迷いのない推理にフランシスは満足そうな笑みを浮かべ、初めてジェイクの前で口角を上げて話す

「流石は火族・・その観察力と洞察力は幼き日から鍛えられた証だな。
お前の言う通り、私は破滅の鐘と協力など鼻からするつもりはない」


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