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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




「だったら・・・」


ジェイクな拳に力を溜め込み、一気にヒルトの腹部へ打ち込む

「うぐっ!!」

ジェイクの一撃はヒルトの意識を無くすのに充分すぎるものだった
荒ぶる風が消えていき、ヒルトはその場で足から崩れて倒れていく

「ーーーさてと、ドミニオンとか言ったよな」

ジェイクの声は冷たく、鋭い
先までヒルトを心配していた声とはまったく違い、まったく別人であるような表情をしながらドミニオンを見下ろす

「あれはなんだ?
どうすればここまでヒルトが壊れる?」
「・・ヒルト・クローズは仲間を傷つけられると誰よりも心が壊れやすい
そう、お前が我々に流した情報の元に上が判断したのだ」
「そうかよ。
クライヴが身動き取れない間に丸く収めておきたいんだがな
最悪、上手くいかないことも考えられるぞ」
「ふっ、弱気とはどうしたものか
お前の家系は代々、暗殺や工作など長けており、お前も素晴らしい才をもっているだろう・・・
あの英雄級のラルザ様の子孫であるお前ならばーーーー」
「その英雄級の本人がクライヴの側近なんだよ」
「なに?」

淡々と話していたドミニオンはジェイクの言葉に耳を疑う
かつて火族に繁栄と栄光をもたらした英雄が生きているはずがない
そして闇堕ちの側近など、考えられなかった
だが、ジェイクが語る情報に嘘偽りはないとこれまでの実績によって信用している

ヒルトより受けた傷が痛むが、それでもドミニオンは話し続けた

「・・ガウンと会ったはずだ
その時渡されたスクロールはもう読んでいるだろう?」
「ーーーあぁ。」
「あの任務が遂行されなければ、お前は間違いなく永遠の傀儡となって」
「そんな事はわかってんだよっ!!」

静まり返る空気の中、ジェイクは人目を気にすることなく
叫ぶように話した

「俺にはもう残された道がないってのはわかってるし、今、何をしなければいけないかも分かってる!
だから少しは考えさせろ!
お前らがこっちに情報もなく勝手に動いた事で計算が狂ってるんだよっ!!」
「ーーーそれは、申し訳ないな。
俺も短い命だ・・ここで全て教えることはできないが
あの人から言伝を承っている。
〝必ず、生きて戻ってこい″とな・・・。」

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