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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




「その時は誰でもわかることだ
冷めない悪夢が続き、死ぬ事も許されない呪いが発動する
既に一度、失敗しているなら次はないな。」


ガウンの言葉にジェイクは更に両手へ力を入れ、スクロールをその場で燃やす

「ーーーー」

燃え盛る炎はジェイクの怒りを具現化させたように勢いがよく
スクロールは一瞬にして灰となった

「お前に聞いておきたい。
クライヴは本当に封印したのか?」
「勿論。
今頃は結界の中で足掻いていると思うが、時間はかかるだろうな
・・俺の魔力が尽きる前にカタをつかせる
お前も俺達と近い存在なら、理解できるはずだ」

「・・・わかってる。
最後にこれだけは確認させてくれ」
「?」
「この町は・・既に染まってるのか?」
「ーーーーそうだ。
調べればすぐにわかる」

ジェイクの意味深な問いにガウンは迷う事なく応える
それはつまり、この町全員が破滅の鐘と繋がっているということ。

町から出れば海上でも魔族を使役して追われる
町に居続けても住人や自警団が監視している
逃げ道はどこにもない

「はぁー」
ジェイクはため息をつき、目を閉じる
次に目を開いた時、そこにはジェイク一人しかおらず
ガウンは姿を消していなくなっていた

「・・ったく、逃げ足が速い奴だ
けど、あいつ一人でクライヴを抑えれるなんて思えない
今のクライヴには闇の騎士がいる・・
結界内に使える死体があれば、迷わず利用してるだろうし
ガウンとかいう結界術師は確実に死ぬな」

小さな独り言を呟きながらジェイクはユリエフ達が待つ部屋へ向かうのではなく、そのまま宿から抜け出し、ヒルトが向かった先へ足を進めていった

騒動が激しくなっているのだろう
行き交う人々はジェイクとは逆の方向へ進んで行く
「っ!」
人混みの流れを逆らうと想像以上に上手く動くことができない
方角がずれるとしても、路地裏を通る方が良い
一番の得策だと思わせ、必死に走って行く

近づけば近づく程伝わっていた
インドリームの力が莫大に跳ね上がり、破滅の鐘と激戦を繰り広げている事が。
人々を巻き込まない為に、海へ戦闘を誘導させれる港町を選んだはずだが、実際は町の真ん中で行われている
いつも冷静でいるヒルトが駆けつけてもそうしなかったのは
そう、できなかったから。
ならば考えられるのは一つ

ヒルト自身が冷静にいられない状況だったということだ
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