• テキストサイズ

IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国


「え?」

「いや、君がそんな平等な考えをするのは聖人であり、生まれつき心に闇を持たない特別な存在だからかなと思ったんだ」


黒いマントを覆い、兵士の服に着替えていたアレックスはすでに傷も疲労も完治し、今まで通りの調子に戻っていた
そして冷静にユリエフのことを称賛する

「お褒めいただきありがとうございます。
ですがアレックスさん・・私がなぜ聖人であるということを知っているのですか?」
「僕はこう見えて長生きしているからね
君ほどではないが、聖人をこの目で見た事があるし、その特徴は君と同じく平穏と光で包まれたものだった
それに、天族でも聖人以外は人と同じく己の一族が一番だと考えているようだしね」
「――――あなたは一体・・!」
「僕のことはその記録書に書かれているさ
君ならすぐに読み解けるだろうが、僕の口から話した方が早いかな」


アレックスはソファから立ち上がり部屋の中心に立ち、足元のカーペットに隠された小さなボタンを踵で押す
爪サイズのボタンが押されたことで部屋の明るさは消え
闇に包まれたように真っ暗になる

「なんだ?!」

警戒するヒルトやインドリーム達
だがジーナとアレックスは冷静に対応する
「インドリームの皆さん、安心してくだい
これは我が国の技術・・投影です
これから空間は暗くなり、映像が透き通りながら部屋全体を包みますが害はありません」
「ジーナさん、一体何が始まるんだ?!」
「ヒルトさん・・・これからアレックスは最新技術を使用し
この国の誕生や彼自身の全てを教えてくれます」

暗闇の空間の中、ジーナの声だけがはっきりと鮮明に聞こえる
そして部屋全体は次第に明るさを取り戻し、木漏れ日から差す日の光で包まれていく
それは元の部屋の明るさではなく、まるで森の中に瞬間移動したような光景だ
気が付くとヒルトの周囲には仲間の姿は見えず
見知らぬ森の中、一人で立っていた
「みんな・・どこ行ったんだ?!」

「安心してくれ、ヒルト・クローズ
仲間は皆同じ空間にいるが、この投影術を行っている間は感知することも意思疎通もできない
君と話せるのは術を発動させている僕だけだ」
「アレックスさん・・これは一体どういう技術を使っているんですか・・?!」



/ 821ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp