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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「財を渡す・・それはすなわち、王族と貴族の財をインドリームに譲るということですな」
「世界を旅する者達に渡す額は破格といえよう・・・。」

口々に発するのは財を渡すか、願いを聞き入れるかのどちらかなら
願いを聞き入れる方がよいとのことだ

「ここにくるまでにインドリームの願いを聞いていた
彼等は我等の国を始め、多くの人々が種族間関係なく手を取り合って生きる世界を望んでいる
この夢のような理想を叶える事こそ、我が国が取るべき手段だと私は思う!」

フォレストの言葉に誰も反発しようとはしなかった

「ーーー問おう。
異議があるものはいるか?」
「ーーーーー」
「ーーー皆が賛成してくれて心から感謝する
では、書面にサインをした後は今後の復興支援と行方不明の住民の捜索などについて私からの見解を伝えよう」

フォレストはふさべりがついたマントを豪快になびかせ
玉座に着き、話しながら指を動かす
その動きと同時に1人の使用人が扉を開け、部屋の後方で控えていたインドリームとジーナとアレックスに部屋から出るように指示した
ヒルトを先頭に移動して行くインドリーム
そして使用人に連れられて来る部屋は静寂が包まれており
豪華なソファと歴代の王族の絵画が飾られていた

フォレスト次期国王の指示があるまで控え室にて待機するよう伝え、使用人はすぐに部屋から出ていく
ソファに並んで座るジーナとアレックスには見慣れた宮殿内の景色
だがインドリームにとっては新鮮であり、一言も発さずに書物や絵画を見つめる

「ーーージーナさん、この書物はディオン連邦共和国の歴史が記録されているのですか?」
ユリエフが手に取った書物は背表紙に獣族の言語で記録書と記載されていた
本来、特殊な言語を学ぶには専門家による伝授が必要であるが
ユリエフは聖人であり、古くから地上を観測していた存在であるため
すぐにでも獣族の言語を解読することができる
幼少期から学び、16歳になってやっと会話ができる程になっだジーナは
抵抗なく歴史書を読んでいくユリエフを見た時、驚きのあまり声が出なかった
「すごい・・天族って本当に私達と比べ物にならないのね」
「そんな事ないですよ
私達と人間種の違いなど大してありません
技術や寿命が長けていたとしても、同じ命に代わりはありませんので。」
「ーーよくできた天族だ
いや、聖人だからこその答えか」
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