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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




たどり着いた可能性は1つ

「天族に・・アルトリアと協力している存在がまだいる・・?!」

その可能性はユリエフにとって危機感しか感じず
カンスを見ていた目はおよぎはじめる


「どうした聖人
まさか天族にいる者共全員が光の使者と思っておるんか?
それならとんだ恵まれた者じゃな
1つ教えてやろう、貴様が知っていたものは全てーーー」


カンスの不気味な声は話の途中で途絶え
6つある目の1つから黒く汚れた血が溢れる
「なっ・・」
流れる血はカンスの口まで滴り落ち
僅かな痛みを感じた
そして傷口に刺さっている物体は見慣れた白銀の剣

「あの剣は・・!」

ヒルトが振り向いた先には
体の半分が魔獣キメラになりかけているアレックスだった


「イン・・ドリーム!
その男の口車に・・・乗せられるな!」
「アレックス!
力を使うと抑制術が効かず
完全に魔獣に成り果てるぞ!」

隣に立ったいたクライヴはアレックスを止めようとする
それでもアレックスは止まることはなかった
肩に置かれたクライヴの手を振り払い退け
重い足を必死に動かす

「迷うな・・敵は目の前にいる魔族だ・・!
僕と・・ジーナの夢を叶え、この国を救ってくれるのは
君達しかいないっ!」

「アレックスさん・・」

「茶番はそこまでじゃ
見てられんわ!」
「!」

カンスは魔力を増幅させ、魔眼を使用してアレックスの魔獣化を進めていく
脈打つ心臓は引き裂かれるような痛みを走らせながら
全身に血を巡らせていく
「ぐっ?!」
獣のように裂けた口と尖がった犬歯は剥き出しになる
激痛と闇の衝動によってアレックスの意思が消えていく
完全に魔獣になるのは時間の問題だった
既にクライヴの抑制術は効果を発揮せず
魔獣キメラの声が結界の中に響いていく

「っ・・アレックスさん!」
「ヒルト!
アレックスさんの心配してるより
あたし達は神官を倒すことに集中するわよ」
「そうだぜ、俺達がどう動けばいいか指示してくれよ」

「アラン・・ライセイ・・!
あぁ、わかってる
2人ともまだ動けるってことだよな?」
「当たり前よ」
「余裕だな」


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