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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



5メートルほどの水晶の刃が結界内を覆い、無傷であるのはカンスのみだった

煙を上げながら見えるのは血を流しながら負傷しているインドリーム
闇を司る事ができるクライヴは強力な防御壁を作り出し
アレックスを守ったことで代わりに左腕を犠牲にしていた

前線に立っていたアランとライセイは足から
イリヤとジェイクは頭から
ユリエフとヒルトは肩から血を流し、傷口を抑えながらカンスを睨む
隈なく攻撃できたことでカンスは不気味な笑みを浮かべながら
優越感にひたる

「カンス元神官、貴方に確認したい事があります」

静まった結界の中、ユリエフの声はハッキリと聞こえた
傷を癒す事よりも優先して確認しなければならないこと
それはカンスがアルトリアと繋がっていたのか、ということ

闇の神を封印から解いた事が全ての始まりなら
世界を混沌へ導く堕天使として更なる動きをみせる
なんとしてもユリエフは阻止しなければいけないと感じた
だからこそアルトリアが辿ってきた道を通り
尻尾を掴むのを目的としてーーー。

「貴方にその力を与えたのは
アルトリアという堕天使の女性ですね?」

「・・ほぉ、あのお方をご存知か」

否定のない反応に、ユリエフは更に核心を掴むために話を進めた
「その姿は古来に封印されていた水魔という
禁術で生み出された魔物の魂と血肉を、貴方の魂に憑依させていることで自ら魔族化したのですね
貴方がなぜそんな真似をしたのかは存じませんが
アルトリアが一体どんな欺きをすれば
貴方のような魔族が生み出されるのか、不思議です」

「ハッ!
言うではないか、天族よ
1つ教えておいてやろう、ワシは欺かれたのではない
自らこの力を欲し、そして入手する方法も知っていた!」

「?!
そんな事はあり得ません・・
だとすれば10年前からどうやって
闇側の力を求めれるほど情報があったのですか・・!
暗黒戦争以来、闇に関する干渉や情報操作は天族が取り締まり
地上界の種族で知れる者などいないはずです」

「建国前からワシが人でなくなっていれば・・どうじゃ?」
ニヤリと笑いながら裂けた口からは
舌を出しながらカンスは語り、その内容にユリエフは薄々みえてきた
それはアルトリアが裏切っていたのは遥か昔からであり
闇の神を封印から解く前に、慎重に下準備をしていたことだ
その行為に天族の誰1人と気づかなかったのはなぜか
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