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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「っ・・クソ、やられたか!」
黒く焦げたカンスは煙をだしながら結界の中で舌打ちをし、インドリームを睨む
そしてアレックスに飲ませた薬と同じものを飲みほし、姿を変えていく

漆黒の闇が結界の中を包んでゆき、禍々しい瘴気があふれかけていく

今にも膨張し、爆発しそうな結界の外で
ユリエフの結界の周囲に更に結界をはるユーイン
そのすぐ後ろでは意識が朦朧とするアレックスの闇を抑えるためにクライヴが抑制術を発動させ、ユリエフはヒルトの傷を癒していた

「みんな・・無事だったんだな」

傷を癒されながらヒルトは仲間の顔を一人一人見つめながら
安心した表情になっていく

「あの爆発がおきる直前、イリヤが岩の壁を作ってあたしたちを守ってくれたのよ」
「えへへ・・直感で発動させた技だけど、皆を守れてよかったよ」

「湧き出てきた魔族は下級だったからすぐに片づけたし
この闘技場自体をあの少年の結界で包まれているから、町には以外は出ていない」

アラン、イリヤ、ジェイクの順に状況をヒルトへ説明してゆく
そしてジェイクが目を向けて話していた先には結界を操るユーインが立っていた

「・・初めまして、観世を司るインドリーム
僕は組織側の魔族、ユーイン
きっとクライヴ君からの情報で知っているだろうが、僕たちは君たちの敵じゃない」
「ああ、俺はヒルト・クローズ
街を守ってくれて・・協力してくれてありがとう」
「礼を言われるまでもないよ
僕たち組織はカンス神官を止める必要があると判断した結果の行動だ
今回は僕たちとインドリームの目的が合致したから
共闘しただけ。
だから、全力で助力するよ」

ユーインは黒い手袋を外し、ヒルトに手を差し伸べる
ヒルトは頷き、手を握り返して握手をする


「・・・問題は、アレックスの状態だね」

ユーインはすぐにアレックスへ視線を向け、呟く

アレックスの状態は闇で汚染され続け、体から闇の魔力が漏れかけていた


「なんだ・・・アレックスの魔力じゃないものを感じる・・」

「クライヴ!
アレックスさんはあの時、カンスに無理矢理赤い液体を飲まされてたけど、それ以降からこの状態なんだ」
「赤い液体?」
「ああ、小さな薬瓶に入れられていて量は多くなかった」
「・・・・。」

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