第1章 三角形 case1
‐黒尾side‐
合宿が終わり、自宅に戻った夜。
小熊に連絡するか否か考えていた。
赤葦がコクっていたら。
2人は付き合っているだろう。
小熊からすりゃ、断る理由もねぇからな。
俺のお陰、とか彼女が少しでも思ってくれるなら報われる。
赤葦は他の男と連絡取るのは嫌とは言わないで、機嫌が悪くなるタイプと見た。
何度もやり取りしてたら喧嘩になって、小熊が泣くんだろ。
俺は彼女を泣かせたい訳じゃない。
【ケイちゃんとお幸せに】
それでも、やっぱ2人の進展具合は気になって。
返信は必要ない、ふざけた言葉を入力してメールを送信した。
少し待ってみたが、返信はナシ。
ま、彼氏出来たばっかなら、電話なり何なりで、お熱い会話でもしてる頃か。
そうでなくても、彼氏の為に他の男からの連絡は無視するつもりかもな。
返信は必要ない文章で送信したのは自分だってのに、返事を待ってるとか、女々しい男だな、俺も。
それを気にしないように、さっさと布団に潜り込んで眠りについた。