第1章 中学
「はあー」
大きなため息をついた
明日からテスト週間に入るのだ
憂鬱・・・
まあ、それは今部活してるみんなそうなのだろうけど
そんなことを考えながら体育館へ入ると
「テツヤ?」
みんなが練習しているコートの中から外れたところ(見学スペース)に彼はいた
「あれ?練習は?」
「・・・赤司君に見学してろと」
若干恨めしそうな目つきが赤司君に向かう
黒子さん黒子さん、真っ黒子様になりかけてますよ~
「今日で最後の部活なのに・・・」
「・・・残念だったね」
テツヤもバスケ大好きだから、最後たったらなおさらやりたいだろうに・・・
拗ねるような表情のテツヤの頭をくしゃくしゃと撫でる
あ、やばい
さつきがこっち見てる、というかこっちに来る!!
「・・・」
ごめんなさい、下心とかはないです
とか、テツヤの前では謝れない
「だよね、テツ君かわいそうだよね」
そう言ってテツヤの頭を軽くなでるさつき
これが狙いか!!
心の中で突っ込んだけど、笑ってるさつきがあまりにも幸せそうだったので黙っていた
テツヤから少し離れるとさつきがテツヤが見学の理由を教えてくれた
「ねー、ねーりん」
「なに?」
「多分だけど、テツ君、手首痛めてるかなんかしてるんだと思う」
「え!?」
そうなんだ、だから見学なんだ
「さつきよく見てるねー」
そう言うと真っ赤になるさつき
かっわいー
「あと、今日基礎練で終わりだって」
「へ?今日で最後なのに?」
「赤司君がそう言ったんだってー」
よくわかんないなあ、赤司君の考えることは・・・
でもきっと正しいんだろう
「じゃあ、今日は早く終わるってことかな」
「そういうことだね」
やっぱり想像通りに練習は早く終わった
さつきが、プレイヤーについてのメモとかを書いてるから
あたしはとりあえず今日使ったボトルとかを洗いに行く
なんか、この仕事は、ちょっとだけ疎外感を感じたりもするのだけれど
まだ、モップをかけている一年生の笑い声が聞こえる体育館を見てると特に
「はー」
ため息
明日から部活ないし
なんか今ちょっと寂しいし?
早く終わらせちゃおう