• テキストサイズ

英霊の刀【ONE PIECE 】

第3章 後編



「ユーリ、止めるんだ!もうこれ以上はっ…!」

ローは必死にユーリへと呼びかけた。
彼女の魔力が底をつきそうなのを、ローは感じていた。

魔力が尽きればユーリは死ぬ。
あれだけボロボロになった身体だ。

魔力があるから動けているようなもので、もういつ死んでもおかしくない。

だがユーリは、ローの言葉が聞こえていないのか更に魔力の強度を上げる。
まるで、死んでもいいと思っているかのように。


「…くそっ!!」

ローは魔物へと視線を向ける。

未だに壁にへばりついて耐えている魔物。
このまま持久戦に持ち込まれれば、ユーリが不利になるのは目に見えていた。








ーーーそ、そうだ!私、海を見てみたいんです!

ローの脳裏に過ったある言葉。

…本当は彼女を連れて行くつもりだった。
だけど、それが叶う前にローは契約を破棄してしまった。



ローはポケットに入っていたコインにそっと触れる。


…あぁ、何をやってるんだおれは

ユーリを救うために契約破棄したのに、今目の前で彼女は死にかけている。

こんな結末、おれは望んでいない。


ローは刀を手に取ると、心臓を王女に投げ返した。












「……えっ」


ユーリは己の魔力が限界に来ており焦っていたが、目の前の光景を見て驚愕の表情を浮かべた。



視界の端で、ずっと心配そうにこちらを見ていたロー。





そんな彼が刀を構えたかと思うと、魔物に目掛けて一気に飛び降りていった。


/ 124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp