第9章 Sugar9
トイレに行った時よりも、足元がおぼつかなくて、もう彼に完全に体重を預けてる。
ごめんね、重いよね。
「お前ら・・・。」
「二人とも・・・。」
「ありえない・・・。」
「俺らいるのに・・・。」
ユウキさん、広大くん、優衣さん、良知さんの順番で、繋げて言ってくる。
きっと本人達は、一人一人言ってるつもりで、繋げるつもりはなかったんだと思う。
「ほら、声、抑えろって言ったじゃん。俺以外に聞かせていいと、思ってるわけ?」
「でも、だって・・・。」
「でも、だってじゃない。前にも言ったじゃん、声抑える時は、噛んでいいって。」
そんなの考える余裕なかったし・・・。
それに・・・
「まだ、痛いでしょ?さっき噛んだとこ・・・。」
これ以上、私のせいで、痛い思いして欲しくない。
「それよりも俺は、聞かれたくない。」
ダメだ。
クラクラする。
彼の言葉で・・・。
「お前ら、隠す気ないな。」
「この前、刀ミュメンバーで飲んだ時よりは、隠してますよ。」
「あの時は、ベッドだったもんね。」
隠す気、一切なかったよね。
「広大、もうわかったよな。こいつは俺だけのもんだって。」
「え・・・?なに急に。そんなの、とっくの前から、知ってるけど・・・?」
まだ根に持ってる。
広大くん、巻き込んじゃってごめんね。
「ごめんね、流司さんすっごい、嫉妬深くて・・・。」
「あ?誰のせいだよ。」
怖いなぁ。
睨んだら、余計怖いから。
でも、そんなところも好き。
そんなところがすごく好き。
嫉妬深いのは、お互い様だしね。
きっと、運命だったんだよね?
貴方と私が、愛し合うのは。
そうであって欲しいと、心から願う。
もう誰にも、貴方を渡さない。
だから、どこにも行かないで。
私の隣に、ずっといて。
「なんかさ、ほんと想像つかない。流司が、心羽ちゃんに甘えてるの。そういう時もあるでしょ?付き合ってれば。」
「流司さんって甘えると、顔をどっかに埋めてくるんですよ。」
もっともっと、そんなのが増えるといいな。
「よし、今度は流司さんが酔ってね。私はもう、充分だから。」
みんながいる前でこれ以上、疼いて欲しくないから。