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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第9章 Sugar9


「ごめん、目の前で起こってることが想像を遥かに超えていて、固まってた。邪魔だよね。」


そんなことを言っている優衣さんは、未だに固まっている。


いつの間にか、広大くんとユウキさんと良知さんが、流司さんの後ろにいた。


「お前らってそんな感じなんだ?」


「サスケが・・・あの可愛くて無邪気で無知なサスケが・・・。」


「へぇ、流司くんやるじゃん。」


待って、一人おかしい人いた。


サスケが可愛くて無邪気で無知?

いつの話をしてるんですか、お兄さん。


それより、キスとか泣いちゃったこととか思い出して、めっちゃ恥ずかしいんだけど。

確かに見せつけてくれたのは嬉しかったんだけど、冷静になってみると、やっぱ恥ずかしいもんだね。


「二人の時間、邪魔しないで。」


「お前ら、二人っきりでいるとこ、観察してみたい。」


「確かに。流司くん、相当キャラ違いそう、見てみたい。」


「弟のこと、ちゃんと知らなきゃいけないしな。」


良知さん、ずっと兄目線。


でもね、そんなとこ見せたくない。

私だけの流司さんだから・・・知られたくない。


「別にいつもこんなってわけじゃないし。」


「私が我慢して我慢して、ぶちまけた時は素直になってくれるんですよ、やっと。」


「俺はいつだって、素直だよ。」


ん?俺って誰のことかな?

流司さんはいつも意地悪でぶっきらぼうなツンデレだけど・・・誰のこと言ってんのかな、流司さんは。


「お前、今、失礼なこと考えてただろ。お前しか知らない俺がいるの、知ってんだろ。」


「なんのことかな。・・・私しか知らない流司さん?私のこと振って、トイレにこもって泣いてたことかな?」


ほんと、なんで私が考えてること、わかるかなぁ。


「てめ、ぶっ殺すぞ。」


寝起きの時より怖いかも・・・。


「え、待って、自分で振って、泣いたの?」


「うっさい。別に嫌いになったから振ったわけじゃないし、俺らにもいろいろあったの!これ以上、あん時のことは、考えたくない。」


目線を少し下に下げて、苦しそうに言う彼。


流司さんもすごく辛かったんだ。

私だけじゃない、そんなのはわかってたけど・・・涙を見せてくれたことが、すごく嬉しかったの。






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