第9章 Sugar9
「心羽?・・・心羽。おーい。」
返事なんてしてやんない。
流司さんだって、拗ねるとこんな感じでしょ?
「あっ!やっ・・・。」
「心羽?」
「・・・。」
いきなり乳首を服の上から甘噛みされて、声が出てしまった。
そっか、寝るから下着付けてなかったんだ。
付けてたら、場所なんてわかんないのに・・・。
声は出てしまったけど、返事はせずに、携帯に集中する。
私の気持ち、思い知ればいいよ。
いつも流司さんが拗ねた時、私がどんな気持ちか知らないでしょ?
「なぁ、心羽ってば。」
「・・・。」
「返事くらいしろよ・・・。」
流司さんはしないでしょ?
どんなに私が貴方の名前を呼んでも、応えてくれないじゃん。
痺れを切らしたのか、携帯を持ってる私の手を掴んで、目を合わせてくる。
「シカトしないで。心羽のこと・・・だ、大好き、だから・・・。愛してんだよ、誰よりも・・・。」
声、だんだん小さくなっていってるよ。
それでも、恥ずかしながら、必死に目を合わせてくる。
可愛い。
ありえないくらい、愛おしい。
いつもの彼なら、諦めて、悪態を付きながら離れて行くはずなのに・・・どうしたんだろう。
嬉しいけど。
「ありがと。言ってくれて、ありがと。」
彼がどれだけ勇気を出して言ってくれたか、わかるから、泣きそうなくらい嬉しくて、ありがとしか言えない。
いつも、彼がなかなか言えない言葉。
そのきっかけは、私が作るから、これから何回でも言って・・・?
かなり強引かもしんないけど、そこは、我慢して。
「言わせるような言葉じゃないのは、わかってる。でも、そうしないと、流司さん、言えないでしょ?そう思ってなかったら、ごめんなさいだけど・・・。」
「思ってるよ。ちゃんと思ってる。いつも言いたいのに、言えないから・・・だから、これからも俺にきっかけを頂戴。」
「お安い御用だよ!好きだって言って欲しいからね。」
貴方が私を愛してくれてるのは、いつだって伝わってるから・・・。
でも、他の人とばっかり話して構ってくれないと、やきもち妬いて、嫌なことばっかり考えちゃうから、たまには、構ってね。
これからも私だけに、そんな甘い言葉吐いて・・・。