第9章 〜法王は、お父様?〜
『黙れ!赤羽!』その瞬間、全てが氷に包まれる。
『クッ…!』
『カルマっ…!』
『さぁ、行くぞ。まぁ。』
身体が動かない。学秀の魔法もまた、尋常ではない魔力…。
ーーカラナ教本部(実家)ーー
『今日から、バグが直るまでこの部屋から出ることは許されない。ドアや窓はもちろん、この部屋全体に、魔力を使った魔法をかけてある。内も外も、一切の魔法はもちろん、物理攻撃も効かない。無駄な抵抗はするな。』
『お兄様…。』
『何だ…』
『お父様は…私が実の娘ぢゃないから、厳しいのかな…?』
『あいつはそんな事は気にはしない。ただ、支配する力…それが正しいと思っているだけだ。』
『お兄様は…私が実の妹だったら、私を助けてくれた?』
『僕は…ただまぁのバグを直したい。心配するな!父とは違うやり方で、必ずバグを取り除く!』
『話は終わったかな…浅野君。』
『法王…』
『さぁ…まぁ。この聖水を飲みなさい。』
…はぃ。
ゴクッ。
な…に…これ……。
身体が熱い……ィタイッ…痛い…!苦しい…!
『何をしたんです!』
『強制的に魔力をゼロにする聖水だ…。苦痛を伴うが、二度とバグを出さないためには仕方がない事だ。』
『お父しゃま……。』
『さぁ、まぁ。まだまだこれからだよ。立ちなさい。これから、私の支配するモンスターを自分の力で倒しなさい。倒す力がなければ、一発でゲームオーバーだ。』
『そんな!まぁは今バグを発生させています!不可能です!』
『知能は3歳児でも、魔法は使える。元に戻るまで、回避する力もまた然り。』
ドォンッ!
『キャーッ!』
『まぁ!今助ける!』
シュッ!學峯のオーラの剣が立ちはだかる。
『手出しは無用だ。浅野君。君もここで無駄死にしたくないだろう。』
『クッ…!』
ハァ…ハァ…ハァ……
『今日はここまでにしよう。ではまた明日。あぁ、あと手首に呪印をしておいた。訓練以外で魔力が使えないようにね。』
『まぁ…。今回復する。』
『学秀…。』