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砂漠の月

第1章 砂漠の月00~70


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屋上に向かうと、元就はフェンスに手を掛けて立っていて。
私が到着すると気配で分かったのか此方を見て、柔らかく微笑む
これ、私と2人の時に見せる元就の心からの笑顔。前世の時から一緒で

「その様な悲しい顔をするでない、迷惑であったか?」
「ちがう、違うの、もしかして"昔"から?」
「気に病むでない、我は市と共に過ごせて心から幸せであった」

私の頬を撫で、涙を拭う元就は凄く優しくて。
ああ、こんなに想ってくれてたなんて私馬鹿だ。

「直ぐにとは言わぬ、これからゆるりと、我と相愛になってゆかぬか?」
「こんな、市でも良いの?そう言う関係になっても良いの?」
「誰も邪魔はせぬ、市、愛している」
「市、も、大好き」

元就と居たい、そう言って今思ってる事を伝えれば
ふわりと笑って抱き締めて、頭を撫でてくれる。優しい元就に酷くほっとする
ふいに、頬に唇を落とされ、思わずキョトンとしてしまって

「元就、はやいー」
「そうであったか?想っていた年月に比べればまだ優しい」
「う、市は反論できない」

他の者に見られれば喧しいであろうが。
自分が、己が市を攫ったと知られれば色々文句をは言われそうだ。

元就、と呟けば。ん?と優しく微笑む彼が居て。

「市って鈍いのね」
「今更かたわけ」
「うー」

実感がわきません、実感するまで時間がかかるって言われたけど、うむぅ
取り敢えずここでぎゅうぎゅうしてるのは良いけど

「教室に戻りませんか?」
「ふむ、道中は騒がしいであろうな」
「?」

何の事言ってるのか分からなかったけど

「congratulations!!市!!」
「姫さんおめでとうー!!」
「うおおおお、政宗!?佐助!?皆?」

何か他のクラスの教室すれ違ったら政宗、佐助、他に元親や三成、吉継、幸村達、え、多い!?

「市だけ気付いてなかったの?」
「あー、お前こういうの極端に鈍いだろ?」
「反論できない」

元親にわしわしーっと頭を撫でられてたら、元就の蹴りが元親に決まって

「いてえな毛利!」
「黙れ、マッチョが移る」
「毛利の旦那、ツッコミ所が多い」

マッチョは流石に移りません。
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