第1章 砂漠の月00~70
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月子ちゃんの手を引いてビーチに向かうと、先に出ていた皆と合流
お?と顔を上げた元親は…うん。
「お、月子。似合うな!」
姫ちゃんだからね、月子ちゃんの水着を見て褒めるのいいけど
褒められ慣れてない月子ちゃんが真っ赤です。このムキマッチョメンめ
だけど晴久に褒められた時の方が喜んでたので良し。
「人が居ないんですね」
「織田のプライベートビーチですからね」
「黒羽先生」
「小野さんもしっかり準備体操して下さいね、ほら市も」
「黒羽がおかあさーん」
もうー、前世に比べ、今世もオカンなんだから
私達のやり取りにふふふっと月子ちゃんが笑ってくれた。
天使です、私にゃ天使にしか見えんでのす。
市、と黒羽に声を掛けられて。うん分かってる。
プライベートビーチだけどよく一般人が入って来るらしい、問題起こさなきゃほっといてるんだけどね。
「おーい、市、月子、来ねえのか」
「今行くー」
晴久に呼ばれたから行こうかと月子ちゃんの手を引いたらがばっと抱き付いて来て
「いいい、い市先輩っ」
「ど、どうしたの?」
え?晴久の水着姿と言うか筋肉ムキムキな肉体美が眩しい?
「ふふふふふ」
「い、市せんぱい?」
「晴久!パース」
「うお!?何だ急に、月子!?」
「ぴゃあぁあぁ」
私は元就引っ張ってって遊んでるから、2人で楽しんでね☆
そう言って元就の腕掴んで海までダッシュさせて頂きます!
市せんぱぁぁい、と私を呼ぶ声は聞こえませんよ、月子ちゃん楽しんでねー!
「…何だ?」
「晴久も晴久で鈍いのですねえ」
「ちょ、黒羽」
「シャチとバナナボート差し上げますから遊んで来なさい、小野さんも何かあったら呼んで下さい」
むぎゅっと、どでかい浮き輪を持たされた晴久はなんだよ、と黒羽に悪態をついてから
「月子行くか」
「え、あ、はい!」
皆の生暖かい視線を無視して、月子の手を引き海へ向かった。