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砂漠の月

第1章 砂漠の月00~70


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「晴久優勝おめでとーう!」
「晴久先輩おめでとうございます!」
「大袈裟だな」

いや、だって、名だたる強豪校の選手全員一本勝ちとか晴久凄い
ねー、と月子ちゃんと顔を合わせて頷いてると、しょうがないなと晴久は苦笑い

「今日は何処に行く気よ?」

やれやれと言う風に、一緒に連れ出した元就が問う
うーん、もう言っちゃっていいよね


「晴久のお祝いに兄さまが、美味しいって評判のレストラン予約してくれました」
「信長公からの祝いも入ってるなそれ」

4人で行って来いって、晴久も元就も弟認定されてるよね
本当は貸切るかって言われたけど流石に断りました。兄さまってば…

月子ちゃんと手を繋いでスキップして、クスクスと笑って

「市、其れならば着替えねばなるまい」
「うん、兄さまのお祝いで、4人全員コーデできるお金を頂きました」
「えええ?私もですか?」
「今回は拒否権無いよ」

今回は逃げられません、レストラン向きだけど可愛くコーデさせて貰うので覚悟してね。



レストランに入って来た4人に、自然と注目が集まった
酷く見目が良い女性と男性、異性のチラチラと見る視線が何だかムズ痒い

「あー、信長公が貸し切るって言ってた理由を理解した」
「迂闊であった」
「「?」」

酷く面倒くさそうに吐き捨てる元就達をみて市と月子は疑問符が付き
こういう視線は鈍い2人に晴久もなんでもないと零す。

「織田様、お席はこちらになります」
「ありがとうございます」

席は窓側で、とても見晴らしの良い素敵な席に。市と月子はわあっと嬉しそうに笑う

「良い席だねー」
「織田理事長にお礼言わなきゃ…」

まあ、2人が喜んでるなら良いか。
しょうがない奴だな、と晴久と元就は顔を合わせて肩を竦め
嫌な視線はシャットアウトし運ばれた料理に舌鼓を打った。

「はっ、このシチュはどう見てもダブルデート」
「お前こういうのに反応するのに何で鈍いかな」
「何か言った?」
「ナンデモアリマセン」

「市さん、これ美味しいですね」

阿呆ばかりだな、元就は遠い目をしながら心の中でごちた。
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