第18章 絶対安静
フィン「やれやれ…^^
今夜は徹夜かな?」くす&なでなで
ケイト「うみゅー(すりすり)
愛してるぞフィンんんん」←寝言
フィン「瞠目)…(くす)
知ってるよ^^//」
誰にも話せなかった過去だった。
話そうともしなかった。
貫くと決めて、誰かの意見も求めず懸命に捧げてきた。
ロキにメリサのことで初恋だの子供を産んで発言などでからかわれたあの時、『ケイトのことで同じ発言をされた時に起こった「意識して頬が意思に関わらず、自然と紅潮する」』…ということはなかった。
恋を知らないまま、全てを小人族の復興に捧げてきた。
たった一人のことで、失う可能性が間近に迫った瞬間、我を失うほどに泣き叫ぶことなど…両親失ったあの時以降、一度として無かった。
感情の発露でさえも……
だけど…君と出会えて、恋をして…初めて人の意見を聞きたくなった。
君ならどう思うだろうかと、その意見を恐れ半分に聴きたくなった。
否定されたらと考えていたのが、『恐れ半分』となった理由だ。
だが蓋を開けてみれば、その意見は…
実に君らしい言葉ばかりで、丸ごと全てを愛していると受け入れてくれたそれは…
密かに、報われたとさえ感じた。不思議と、そう思わされた。
充足感に満たされて、認められたことが嬉しさとなって、それらが込み上げて胸に溢れ、涙が滲んだ。
君という存在そのものに、強く胸打たれた。差し出された親指を立てた左拳を喜々として右手で掴み、握り締めながら。
内心では、僅かに恐怖があった。
その生き方を否定されれば、それごと僕まで拒絶されれば…
そう考えてしまう自分が、いないわけではなかった。
だからこそのものだった。
絶望となった逃げ出した小人族の同胞、希望となった両親…
彼女の行動の中に『光』を、フィアナを感じたケイト……
だからこそ、ケイトから拒否されるとなれば耐えられないと思った。
でも違っていて安心した。それ所か、もっと好きになった。
恋焦がれる想いが苛烈さを増していく先に、気付けば口をついてあのような言葉ばかりが出ていた。
感謝を伝えたかった。
この胸を占める『想い』が伝わって欲しかった。
どれも本心からのそれに変わりはなくて、とても気恥ずかしいものだったけれど…
互いの想いが確認できて、本当によかったとさえ思った。