第95章 神(しん)
力無く落ちる左手を
キッドがそれを咄嗟に、反射的に両手で受け止める
それに…変わらず、なんとか意識を保ちながらも、言葉を発する
(ちなみに裏では、ブラックスターが必死に目立ちたい(主人公は俺だあああああ!!スポットライト寄越せぇぇええええええ!!と叫び出したい)衝動を白目を剥き震えながら抑え込んでいた
後に実際に叫ぼうとし、みんなから空気を壊すな!;と袋叩きで物理的に押さえ込まれてた)
ケイト「全部あげてもいいぐらい…
大好きで、大事な人達だから…
キッドだけじゃない……
みんな…
一人として…消えて欲しくないんだ
死んで欲しくない
誰もが…みんな……
元気で、幸せで…無事で、いて欲しいだけなんだ
は…は……(苦笑)
また……
忘れ…ちゃうんだよなあ
やだなあ……
忘れたく、ないよ…(ぽつり)
ごめんね…(涙)
大事なこと…いっぱい、話したのにっ
キッド「心配するな!←手を持ち上げ、両手で握り締める
俺が覚えている!
何度でも言う!
きっちりかっちり全部覚えている!
だから泣くな!
一人で…背負うなっ、ぐすっ
そんな重いものを…ひとりで抱えるな←嗚咽を上げながら目を瞑り項垂れ、両目から涙を流す
ケイト「……←涙が頬を伝う
……ありがとう」
覆い被さるように抱き締めて唇を奪う
ちゅっ
キッド(俺が側に居るから…
ひとりで泣くな)
ケイト「大好き——^^
(ごめんね
巻き込んで
キッド(いくらでも巻き込め
必ず駆け付ける
何処に居ても必ず守る
守りに行く
だから…
全部やろうとするな)
魂同士で触れ合って
重なり合った想い…
それを受けて…安心してか、満面の笑みを浮かべてからケイトは眠りについた
ありがとう——
そう、笑みを讃えて——
目を瞑って、眠りについた
それを受けた際…他の世界でのケイト(原初の始祖神)も
がくっ
どさっ
頭が下を向いて
落ちて行った
咄嗟に受け止めて抱き締めた
崩れ落ちる体はまるで…
操り人形の糸が切れたようで…
力無く、落ちてゆくように感じた
気を張っていた、張り詰めていた糸…それらが切れ、尽きたことを意味していた——
ちなみに後日キッドは泣きながら必死に忘れないようにと書き留めていた
涙で紙が濡れる度に破り捨てて書き直していた為、数日要したという…