第91章 轉儛(てんぶ)
ナレーション『機械がタイムを計測しております
ライドチーム
阿久津チーム
0秒001
繰り返します!
0.001秒差です!
0.001秒、阿久津チームが早かったです!!』
ライド「ちくしょおお負けたああああああ」跪いて頭抱える
阿久津「危なかった…←多少息が弾んでいる
もし…もし、ほんの一瞬遅かったら
もし減速パネルが僅かでもズレていたら…
まさかここまで罠を利用し尽くすとは…
直感?センス?……いや
勘か)
野生動物みたいだな」ぽつり
誰にも聞こえない声で、顎に手を当てて考えを呟いていた
ナレーション『えー
競技会から連絡がありました
タイムは基本
0.00秒単位ですので、
今回は同着、同時優勝です
2チーム優勝となります!』
ライド「納得いかねえ!!
けりつけようぜ!」
小浪「ちょっ、ライド!
折角優勝なのに水を
ライド「そんな優勝要らねえ!!
俺と阿久津で、勝負を付けたいんだ!!」
阿久津「ふっ瞑目)
僕は構わないよ」
ナレーション『しかし
阿久津「受けましょう←手で制する
ギアファイターとして…
避けたくはありませんので」
次に行われることになった個人レースにて、整備を行っていた
小浪「もお!何でそんなこと言い出すのよ!」
ライド「ここであいつに勝てなきゃ、俺はいつまで経っても世界じゃ通用しない!
そんな気がするんだ…
俺はプロになる!その為にも…←阿久津を見る
あいつから逃げちゃダメだ!勝たなきゃいけないんだよ!!」真剣
小浪「もう…;言い出したら聞かないんだから;」
筋肉質「いいぜ、行って来い!」
中肉中背「応援してるよ!」
小柄「頷)大丈夫だよ、ライドなら!」
小浪「……
わかったわ←肩すくめ苦笑
あんたが居なきゃどうせドベだったんだもの
気にせず全力で走ってきなさい!!」
ライド「ああ!!」微笑し頷く
小浪「ただし…負けたら承知しないからね?」
ライド「おお!!
絶対勝つ!!」ぐっ!!←拳を眼前で強く握り締める
駆動「よかったのかい?
これで…」整備しながら問い掛ける
阿久津「ああ
負けられない勝負が出来た」微笑
駆動「ふっ…
久しぶりに見たよ、君のそんな楽しそうな顔」すっ←微笑し阿久津の愛機を差し出す
阿久津「行ってくる」微笑←手を指し伸ばし
ぱしっ←受け取る