第91章 轉儛(てんぶ)
お前の気持ちを叶えたらどうなるか考えたか?
殺したくて堪らない気持ちも
痛くて痛くて苦しくて辛い気持ちも
全部捨てないと…殺さないと
お前の望むように(お前を善人だと思うなんて)転ぶ訳無いだろ
大事な人を殺して
私の気持ちまで殺せって求めてきてんだ
人の気持ちを考えたか?だったか…?(声が震え出す)
お前が言うなよ!!!!!』
悲鳴のような絶叫が迸る
びりびりと声が響く中、なおもケイトは痛切に言葉を続ける
ケイト『お前を見てるだけで
殺したい想いが止まらない、八つ裂きにしたい想い以外何も浮かんでこない←胸に手を当てて押さえ付けるように拳を強く握り締める
兄の想いを無下にしたくないって自分が居て
それにも嫌悪感をっ…感じで…←涙を必死に堪える
痛いんだよっ←今にも消え入りそうな、掠れた弱々しい声で呟く
殺さないようにするだけでも、もう精一杯なのに
手一杯なのに…
これ以上…何をさせようってんだよっ!』
涙を浮かべながらも必死に堪えつつ、最後に叫んだ
ケイト『頼むから…
金輪際二度と関わるな!!!!』
人の命を、遺品を、弄んで、奪って、金に換えてきた人間が
これ以上、殺された(奪われた)側の、何を奪おうってんだよ
何を殺そうと、人にさせようってんだよ
その言葉は…想いは、必死に呑み込んでいた
黙ったまま…項垂れて去っていくそれを背に……
ケイト『うわああああああああああああ
にいさん
にいざん
にいざんっ
にいざっん
(地位も何もかも全て捨てて、それでも守ろうとしてくれた
私の最も愛した、初めての男性
家族として、人として、最も大事にしたいと思えた人
木の幹の上に腰掛ける私を、楽しそうに満面の笑みで見上げる兄
優しさも何もかもをも惜しみなく注いでくれた当時の最愛の人
私の誇り―――私の英雄)
にいざああああああああああああん
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;;;;;;』
『…‥……』
アイズ「ぎゅうっ)
泣いていいよ
ずっと…我慢してきたんだもんね」
ケイト『ひっぐ;
えっ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;;』
