第90章 未来への展望
何故分体なのか…
どうあっても再び冥府にさせる訳にはいかなかったから
一番最強の一撃を繰り出せるのは…
その魂が…
現状、ケイトの魂しかいなかったから
勿論、許可も貰った上で………
そして――時空神の予知で、既に次期原初の始祖神であることは把握済みだった
一番最大最強の威力を発揮できるのがケイトだけだったから
精霊の力とは…
魂の力に、威力が直結するから
次期原初の始祖神が生まれて来た瞬間から、
負荷が軽く、逸脱するほどに軽くなっていたから
力が解放された際に
髪が白くなっていたのは
精霊の持つ奇跡を借りて
始祖神の力を実在化させた為
創世神の親の心をその身の内に抱いているからこそ――実現できたこと
その分体であったとしても、それは及ぶのだという――
黒竜に、人間として対抗できる人類
その手段が…これしか無かった……
追い払う為に力を磨き、鍛え上げ、命を対価に捧げた一撃で、目を奪えるように――北へ追い払えるように
竜を集めさせ、纏めて封じれるようにその下地を作ること…――そしてアリアが弱った振りをして食おうと迫り狂う黒竜を、生まれ故郷である精霊の森の近く…ヘレイオス街へ誘導して結界に封じ込ませること
そして――――オラリオに平穏を訪れさせ、ダンジョンを解放させない為に……そして神が降りる、神時代へ繋がる
神として目覚めていなくとも…
最強の力を扱えるのは
次期原初の始祖神しかいないから
『鍵』とは――
黒竜を倒すことのできる何かとは……
私が始祖神として目覚めることだ
氷園の中に持たせたのは…
その殻に過ぎない
命を対価にした一撃を繰り出す前に――魂が持つ力を分離させて封印した
分体が抱く魂の力をじっちゃん…精霊王アルルェーチェと親交があったから魂の力を封じる手段を教わりその為の道具を貰った
それを実行に移す為に――未来に託す為に―――
そして――リベンジマッチは叶い、勝利した―――
封印が切れる発動条件は――
黒竜と相対することだったから―――
幸い、脱出する際に黒竜と相対することは無かった…
だから――魔法が目覚めることは無く【?】で、始祖神の力も使用できることは無かった
龍神の娘として生まれてくる前、神として完成していなければ、出せない力だったから―――