第90章 未来への展望
英雄譚では最強の英雄アルバート、アイズの父が己の命と引き替えに片目を潰して黒竜をこの地(大陸)から退けた。
その際、アリアも共に死んだ。
だが…アリアは最期の力を振り絞ってアイズを遠き先の時代へ送り避難させ、その最中で時代を超えたアイズの中に、魔法に宿った。
という推測を立てていた←3140ページ参照
しかし…
実際は、アリアが死んだ時期は封印(風印)を境にしたもので……
奇跡は既に全てアイズに送り付けていた、目覚めるのが1000年後でも何年後でも持つように、と
始祖神の力の発動を、黒竜との相対を起因にした条件とは…
分体の持つ魂の力、始祖神の力であり……
それが、元はケイトの持つ力であり、分体とはケイトの分身のようなものだ
つまり……ケイトの中で目覚めた【?】という魔法とは…『原初の始祖神としての力』をどれだけ引き出せたかという指標に過ぎない
それも…魔力を対価にして……
龍神の娘であり、原初の始祖神として完成した状態で生まれて来た
だからこそ――現実となった
最初は魔力を対価にして『原初の始祖神の力』を使うことに慣れさせ、原初の始祖神の闇と戦わせて魔法抜きで使えるようにし、魔法と同時併用して『肉体で出せる原初の始祖神の力』と『魂と霊体で出せる原初の始祖神の力』の複合化を目指し、原初の精霊をあの世へ帰らせる為の、浄化させて清浄な状態へ戻す為の―――それら全てを踏まえた上での構成だったのだと――――
僕が死んだ後、精霊アリアが死ねば…今度こそ一つとなって死んでゆくのだということも
今になって知った
全てが一つに繋がって……
落ち着きを取り戻すのに十数分もの時間を有した
60階層にあった【千蒼の氷園】とは、
1000年前アルバートが命を対価にした一撃で目を負傷させ、黒竜を追い払った後、
当時、危険だったオラリオから、アイズを迷宮へ避難させて保護する為に
始祖の聖女(セルディア)(ハイエルフ)が命を対価にして使用した魔法そのもの
だからこそ――死後もなお、ずっと続いている
その『鍵』である『妖聖の杖』を起点として
解ける条件は――王族(ハイエルフ)の魔力に触れることのみ
数十年前
【ハデス・ファミリア】が探索中【千蒼の氷園】を見つけ、『氷漬けのアイズ』を地上へ持ち帰る
しかし『鍵』が無い為、氷は解けないままだった
