第90章 未来への展望
ティオナ「外側の膜、へその緒となる膜と被ってない?
大丈夫なの?」
ケイト「あー…
互いに影響は及ぼさないようになっているんだよ
そういう意味の透過
胎盤は胎盤、一番外側の新しく与えられた膜、削る方ね
で、元から持ってたものはただの魂の外表、魂としての膜」
そう説明された
ケイト『心を開くことで、「罪」が移植可能となって
植え付けられるんだよ
「創世神の親殺し」という罪が
それが「癌化の源」なんよ
で…
さっきも言ったけど
心を開くことで、その対象に対しての免疫を失くすんよ
そうしたら…「癌化」であれ、『実在化』であれ、容易く受け入れる存在となってしまう
「癌化」は「罪そのもの」だから、移植可能
『実在化』は『光そのもの』だから、移植ではなく譲渡に近い
移植ってのは…他の人達へ植え付けて味方にして回る
どんな状況に置かれても己を見ずに助けようとする、いい人だと捉えようとする操り人形として…
主犯格の癌や癌一同の…自らの罪を軽くする為の贄として……
「癌化の闇」とは…
「創世神の親殺し」という罪の、全体への移植化を指す
それが………「呪い」の実状だ
自らは悪くない…
誰でも「そう捉えて欲しい願望」はあるだろう
だが限度がある
それを弁えず、「人を見ない無理強い」と化してまで強要し、責任を他人に負わせて回ることで「無責任」を貫き、動いてくれた恩人達を利用するだけという「仇返し」を善としか認識できない操り人形とし、自らを都合よく捉える為の認識をばら撒く
つまり…「罪」をばら撒く贄とする
それに伴い…
少しでも長く「主犯格の癌」がこの世に居座る為の、犠牲となる
掛けられた者達は皆…自覚することも、認識すらも出来ずに……同じ罪を共に犯す
「主犯格の癌」も…気付かぬままに―←目を伏せ俯く
悪人を悪人として処理出来ない操り人形と化させ
悪を共に振り撒き善とする(歪める)贄とさせる
そこに本人の意志は無い
感情も無い
ただの機械と同じように…
決められた動作しか出来ない
全ての自由を、全ての時間を、その正当化の為だけに…「主犯格の癌や癌一同」の為だけに、奪われ続ける
認識も、自覚も…何も出来なくさせられる
……たとえ……本人が望んでいなくとも――
正当化する為には…
自らの中にある罪を分化させ、移植させるしか無い
