第90章 未来への展望
その異なる自我が、記憶が、命が…
正しく、これまで通りに接することが出来るとは限らない
そう…その可能性が、懊悩が…影をよぎった
それは時が増せば増す程に膨れ上がり、よぎる所ではなく常に側に在り続けるようになった
だからこそ――焦燥に、不安に、駆られた
どうすれば避けれるか…
避ける術は無いのか…
そんな苛立ちと、微かに騒めく胸(心)と共に――
そして――あの時に至る…
特攻兵器
桜花
それを見た折…それを、自らと重ねた
自らを犠牲にし、消滅させ…そうしてまで全てを守りたいと願った
全てを実在化させたいと、その為に犠牲になり続けてきた原初の始祖神の、初代の想いを、今代(2代目)で潰えさせはしまいと
その為の道具として、必ず死ぬ…その覚悟を持って、実現を為し、事を現実としているのならば……と
ケイト『……私(ケイト)は…その生き様に、誇れる在り方が、出来ているのかな……』俯
最早、俺という魂の一人称すら忘れ掛けるほどに是正した、削れた記憶が、
二度と持てない自我と記憶が、それを認識さえも、させてはくれない
同じものを、同じ自我を、同じ記憶を、二度と手に出来ないからこそ…
そんな言葉を受けて、そう痛切に感じざるを得なかった…
どんな存在であれ、消えて欲しくない…死んで欲しくない…
そう想った、心から――
そして――その想いは、創世神の親も同じだということを知った
だからこそ――その想いを、心(根幹)を、受け継ぐと決めた…
その為にも繰り返させないと…主犯格の癌が全てに掛けた癌化の闇を清浄に還し、元の清浄な状態へ戻すと―――!!!
絶対に――死なせない(消させない)
『守り』の甚大化
実在化と自浄作用が、より一層強固となる
必ず守る――
そう体現するように―――
それが…
原初の始祖神と、互いに好意を抱き合っている場合における効能だ
しかし…勝手に嫌悪感を抱き接してくる人に対しては……
やはり誰であっても嫌悪感を抱かざるを得ないだろう
=最低値となり、それでも『最低限は』守るという形を取っている
それが以前記した、癌に好意や恋心を抱けば癌化アウト、抱かなければギリギリ癌化未遂セーフという訳だ
だが癌から恋心や好意を抱かれれば確実に癌になり、嫌悪を抱かれればギリギリ癌にならないとなる