第90章 未来への展望
己(原初の始祖神)の全てを費やされて成り立つものだから――――
魂を球体として
全体の直径10の内
『心』である直径2.095を除いた全てが削られ続ける
何度も何度も『心』が自我を記憶を命を再生させ、その傍から一瞬毎に常に削られ続けてゆく
ティオナ「え?削ったら無くなるんじゃないの?」
ケイト「無くなるよ?
でも心が自我と記憶と命を新たに生み出すんだ。無限に。
無限に再生するからこそ、自我と記憶と命が常時削るなんてことが出来る。
それだけじゃない…
一度(ひとたび)削れば、同じものは…二度と戻らない…
それは…『対価』として、『差し出す』ということだから……
『同じものを手にすること』は、どう在っても、どう転んでも、
どんな方法を使っても、二度と出来ない
だから……自分が自分で居られているのかなんてのは、わからない
記憶も持てないから…自覚も出来ない……
ただ…再生限度年数が1兆5000億年だというだけの話だ
だから……ろうそくで例えた←5215,5216ページ参照
燃えたものは二度と元には戻ることは無いから…決して―――二度と、絶対に……
寿命=ろうそくで言うと『長さ』=魂を犠牲にして『命』を作り出し分け与え続けられる『分量』
耐用年数=ろうそくで言うと『太さ』=どれだけ分配し(分け与え)続けていられるかの『年数』
摩耗年数=ろうそくで言うと『芯の太さ』=摩耗をどれだけ続けられるかの年数
寿命:∞
耐用年数:∞年
摩耗年数:1兆5000億年
つまり摩耗年数とは…『分配する命や自我や記憶』を『心が再生させた上で削られ、摩耗させ続けていられる限度年数』ということか
ケイトの言う自らの削った自我と記憶と命は、
魔法で言う所の魔力と精神力のようなもので、新たに撃つには回復を待つしか無い
しかし――無限に一瞬で再生でき、新たに生み出せるからこそ実在化が可能となる…という訳だ
ケイト『もう…回復はしない……←4620ページ参照
…(すっ)←目を細め、よどんだくらい目で両手を見つめる
二度と…元には戻らない
同じものは――二度と…どんな方法を使っても、手にすることも、身に付けることも…二度と出来ない』
だからこそ――不安に駆られたのだという―――
全てを忘れて…お前達を襲ってしまったら、と――――