第88章 神聖たる導き
『どうなったんだ?』
『配信が途切れたぞ』
『おい、映像が映ったぞ』
保護された神国にて、ビルが発する立体映像の前で…口々に各国の国民が呟く
ケイト「え…?
あれ?」きょろ←上半身のみ起こす
ぱあっ!!←全員が表情を綻ばせる
『よっしゃあ!!^^』ぱちんっ!!
『やったぜ!!!^^』がつんっ!!
男性同士が叫び合い、掌を、肘同士を、拳をぶつけ合う中
女性同士は涙を浮かべ、手を取り合い、寄り添い合い、喜びを分かち合う
夫婦も、カップルも…互いの無事を喜び、たたえ合う
『俺達の…勝利だあああああ!!!!^^』拳を掲げる
『わあああああああああああっ!!!!!』拳を掲げ合う
ケイト「え?何?どうなってるの?」
フィン「…あの地下神殿は…
エル「全てを消す為の兵器だったんです!!!」ずいっ!!
何故人の台詞を横から掻っ攫うのか;(苦悶)
エル「非常時の備えだったのですが優しさが故に悪人相手には使えず、災害相手にのみに使う等の形で使用してきたのですが悪人の手に渡れば悪用され兼ねず危険過ぎるということで封印されたのです
そして恩人として代々大事に扱ってきたのですがそれを軽んじる馬鹿共の手に渡り、人々の助けとなる為に遣わされたのに逆に粗末に扱われ軽んじられ続け、悪しき人や存在のみ多く感じ続けたことで逆の効果を発揮するようになってしまったのです
実はその兵器は『最初にこの世に遣わされた精霊』で全ての神々の力を結集して生み出された存在でして、それで神々が怒り大陸ごと沈められ…
それが終末兵器というもので…
つまり…自分を終わらせてくれる、ありのままに還して天へ帰らせてくれる存在を待っていたという訳です」
ケイト「えっと……
つまり…?
んっと…精霊さんが地下神殿に封印されて
でもそれは守る為で、その結果守られはしたけれども
逆に軽んじられて蔑ろにされ続けた結果、悪しきものに囲まれ続けたことで消滅を齎すものへと変異してしまって?」
エル「そういう理解で間違いないです」頷く
ケイト「そ…っか…(言葉に詰まる)
あいつも被害者なんだね」寂しそうな目で空を見上げる
エル「そうです」哀し気な表情で頷く
『それで済ませていい問題ではないんだが?;』
ケイト「あ…;
ごめん;」お辞儀
下手したら滅亡の危機だと言うのにこいつらは…;
