第86章 紡ぎ
ウリエル「あなたの痛みが、傷が、少しでも和らぐことを、切に祈り、願っております。
創世神様…始祖神、2代目様」
ケイト「ありがとう、ウリエル。
忘れないように、心にしっかりと留めておくよ!
いつも守ってくれて
大事にしてくれて
本当にありがとう」微笑←双眸を見て、笑い掛ける
ウリエル「私の台詞です」くすり←同様に見て、笑い掛ける
最後に、温かい火に包まれた――
癌によって傷付けられ、蔓延していた痛み…それが和らぐようにと―――
それに伴って――――怒りが、憎しみが、痛みが…晴れた……天候と共に……癌と隠れ癌等によって付けられた、全ての存在が抱く傷が…ようやっと浄化された
そして…
皆からの声掛けもあって、ようやっとアルヴの王森へと進んでいくことになった
残されたアイズとの2人きりの時間は、神速艇の中で過ごすつもりらしい……
さて――後はガブリエルだけ
心痛があまりに激しくなれば、心を病み、死ぬことだってあり得る
だからこそウリエルが訪問してくれたのだと知った…
確か聖書においてガブリエルは「神の言葉を伝える天使」だったはずだが――
テロップ『まだ先!』
隠れ癌も一人残らず『控え』に載せる為…チャンスを与えるという名目で癌をこの世に生まれさせる…いぶり出す為に……
そして…僕、滅神は…その癌を消滅させる係という訳か…
隠れ癌もまた、癌と同じく創世神の親を殺した怨敵であり、神への反逆者…
いぶり出すには癌に触れさせる必要性があり、どうしても避けられない……
創世神の親に手をかけて殺した者達
それと同じ魂が、必ず癌になる魂
隠れ癌も同じく、必ず癌になる魂
癌一族は皆、隠れ癌を見、守ろうとする…他の者達には、見向きもせずに蔑ろにするのに
その習性を利用して、いぶり出しを行う
先天的な癌
癌の世界に送る
後天的な癌
創世神の親と同じ空間にいたが、癌となって創世神の親を殺す行為に加担した
先天的な癌は魂の削れ具合ですぐ見抜ける
だが、後天的な癌は、先天的な癌と触れ合わせないと判別が出来ない
その為、必ず癌に触れ合わせる必要がある
その際、けむたがれば助かるが、逆に犯罪に手を染めてまで守ろうと暴走を繰り返す兆候が見られれば癌だという、見分け方法が確立されたのだと
創世神の膜と親和性が高いのが始祖神なのだという